※この記事の数字は、2026年9月に集計の誤りを直したうえで取り直したものです。経緯は末尾の「この記事の検証方法」に書いています。
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この記事の結論
- 欧州株253銘柄の権利落ち日を実測した結果、4月と5月だけで全体の45%を占め、5月が最多の107社でした。最も少ないのは2月の12社です
- 支払回数は年1回が156社で全体の6割超。年4回以上はわずか5社しかありません
- 春に集中する理由は、欧州の多くの企業が配当を株主総会で承認してから支払う仕組みだからです
- イギリス2.09回・スペイン2.07回に対し、ドイツ0.96回・スイス1.00回と、国によって年間の支払回数に差があります
米国株に慣れていると、「配当は年4回、どこかの銘柄が毎月払ってくれる」という感覚が当たり前になります。では欧州株はどうなのか。今回、当サイトが記事化している欧州株について、権利落ち日(ex-dividend date)の履歴を機械的に取得し、支払回数と時期を集計しました。
結論から言うと、欧州株の配当は「年1回・春にまとめて」が基本形です。以下、実測データを示しながら理由を整理します。
253銘柄を実測|権利落ちは4月・5月に45%が集中
調査方法はこうです。stockanalysis.comの各銘柄の配当ページから権利落ち日の履歴を取得し、2025年以降にあった権利落ちが何月に起きているかを月ごとに集計しました(1銘柄が年に複数回権利落ちする場合は、その月ごとにカウントしています)。当サイトが取り上げている欧州株のうち、データを取得できた253銘柄が対象です。
結果が次の表です。
| 月 | 社数 | 月 | 社数 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 22 | 7月 | 32 |
| 2月 | 12 | 8月 | 16 |
| 3月 | 27 | 9月 | 14 |
| 4月 | 75 | 10月 | 20 |
| 5月 | 107 | 11月 | 19 |
| 6月 | 46 | 12月 | 17 |
4月と5月の2か月だけで全体の45%を占め、なかでも5月が107社と突出しています。一方で最も少ないのは2月の12社です。1年のうち春の2か月にだけ配当の入金が偏り、それ以外の月、とくに2月は静かになる。これが欧州株253銘柄を実測して見えてきた実態です。なお、権利落ち日は年によって前後するため、ここでの「◯月」は目安としてご覧ください。
※この集計は、当サイトが取り上げた銘柄に限った独自調査です。欧州市場全体(数千社規模)を代表する数字ではない点は、あらかじめお断りしておきます。
支払い回数は年1回が主役|156社が年1回、年4回以上はわずか5社
次に、2025年の1年間で権利落ちが何回あったかを銘柄ごとに数え、回数別に集計しました。
| 回数 | 社数 |
|---|---|
| 年0回(無配) | 6社 |
| 年1回 | 156社 |
| 年2回 | 79社 |
| 年3回 | 7社 |
| 年4回 | 4社 |
| 年7回 | 1社 |
年1回が156社で全体の6割超を占め、最多です。年2回が79社で続き、年3回は7社、年4回以上に至っては合わせて5社しかありません。米国株では「年4回払い」がむしろ標準ですが、欧州株ではそれが少数派だということが、この実測でわかります。
年4回以上だったのは、トリグ、インペリアル・ブランズ、D/Sノルデン、ゲームズワークショップ、ミケル・イ・コスタスの5社です。欧州株で「年4回以上」は、あくまで例外的な存在だということが、実名を見てもわかります。
ここで注意しておきたいのは、年1回払いの銘柄を権利落ち直後に買ってしまうと、次の配当まで1年近く待つことになるという点です。欧州株は年1回・春払いが基本形なので、米国株の感覚で「買えばすぐ配当が入る」と思っていると、入金のタイミングにずれを感じるかもしれません。買う前に、その銘柄の権利落ち月がいつ頃かを確認しておくと、こうしたずれに納得しやすくなります。
なぜ春に集中するのか|配当は株主総会で承認されてから支払われる
理由は、配当の決め方の仕組みにあります。欧州の多くの企業は、日本や米国のように取締役会だけで配当を決めるのではなく、年次株主総会(AGM)で配当を承認してから支払うという手順を踏みます。決算期は12月末が多いため、決算内容をまとめて株主総会にかけるのは翌年の春になり、承認後の権利落ち・支払いも自然と4〜5月にまとまります。
イギリスとスペインだけやや事情が違います。この2か国では中間配当と期末配当の年2回払いが慣行で、支払いの時期が分散する分、年間の支払回数も他国より多くなります。詳しくは次の章で示します。
※この説明は一般的な仕組みの解説であり、個別企業の配当方針は各社の開示によります。
この記事で気になった銘柄が実際に取引できるかを、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。最低手数料が効くため、少額の買付では負担率が上がります。
国によっても違う|英・西は年2回超、独・瑞は年1回が基本
国別に年間の平均支払回数を見ると、傾向の違いがさらにはっきりします。イギリス2.09回・スペイン2.07回と、この2か国は平均で年2回を超えています。先ほど触れた中間配当・期末配当の慣行が、この数字に表れています。
一方で、ドイツ0.96回・スイス1.00回と、この2か国は平均が年1回に近い水準です。同じ「欧州株」でも、どの国の取引所に上場しているかで配当の入り方は違う、というのがこの実測から言えることです。
まとめ:欧州株の配当は「年1回・春」が基本形
- 欧州株253銘柄を実測した結果、4月・5月の2か月で全体の45%が権利落ち。5月が107社で最多、最も少ないのは2月の12社
- 支払回数は年1回が156社で6割超。年4回以上はわずか5社
- 理由は配当を株主総会で承認してから支払う仕組みと、12月決算の企業が多いこと
- イギリス2.09回・スペイン2.07回に対し、ドイツ0.96回・スイス1.00回と国差がある
- 年1回払いの銘柄は、権利落ち直後に買うと次の配当まで1年近く待つことになる
配当月を揃えるために銘柄を選ぶのは、本末転倒だと思います。企業の中身で選び、入金が春にまとまることを受け入れるほうが、素直なやり方ではないでしょうか。
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、IB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 2026年9月3日に、当サイトが記事化している欧州株について、stockanalysis.comの各銘柄の配当ページから権利落ち日(ex-dividend date)の履歴を機械的に取得し直しました。公開時点の集計(201銘柄)には当サイトが初期に取り上げた銘柄が含まれておらず、今回253銘柄に対象を広げて取り直しています
- 2025年以降の権利落ち履歴をもとに、月別の社数と、2025年1年間の支払回数を集計しています
- 権利落ち日は年によって前後します。本文中の「◯月に集中」は過去の実績に基づく傾向であり、今年・来年の日付を確定するものではありません
- この集計は当サイトが取り上げた銘柄に限ったものであり、欧州市場全体を代表するものではありません。あくまで独自調査としてご覧ください
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の集計対象の全銘柄を保有しているわけではありません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の権利落ち日・支払回数の集計は、本文記載の日時に当サイトが独自に取得したデータに基づくものであり、将来の配当時期や金額を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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