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欧州株の受け渡しが2027年10月にT+1へ|配当の権利落ち日はどう変わる【2026年】

欧州株の受け渡しが2027年10月にT+1へ|配当の権利落ち日はどう変わる【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • EUの株式の受け渡しは、2027年10月11日から取引の翌営業日(T+1)に短くなります。いまは2営業日後(T+2)です。イギリスとスイスも同じ日に移る予定です
  • 欧州中央銀行の実施ガイドでは、T+1のもとで配当の権利落ち日は基準日と同じ日にするとされています。いまは権利落ち日が基準日の1営業日前です
  • 配当をもらうには権利落ち日の前営業日までに買う、という考え方は変わりません。権利落ち日を目安にしている人は、やることは同じです
  • 2027年10月4日〜15日の移行期間は、配当の日付の決め方に特別な扱いがあります

株を買ってから、実際に株と代金が受け渡されるまでには時間差があります。欧州ではいま、この受け渡しが取引の2営業日後(T+2)に行われています。これが2027年10月11日から翌営業日(T+1)に短くなります。

個人投資家にとって気になるのは、「配当をもらうには、いつまでに買えばよいか」が変わるかどうかだと思います。この記事では、EUの規則を説明したフランス金融市場庁(AMF)の資料と、欧州中央銀行(ECB)が2026年7月にまとめた実施ガイドで、何がどう変わるのかを確認しました。

目次

EU・イギリス・スイスがそろって2027年10月11日に移る

地域決まっていること出典
EU規則(EU) 2025/2075(2025年10月8日)で決定。2025年10月14日に官報に掲載され、2027年10月11日から適用AMF「Transition to T+1 settlement of transactions」(2026年4月23日)
イギリス政府が2027年10月11日からT+1を義務づける方針を示し、法令の案を公表英国政府「Accelerated Settlement (T+1)」、FCA
スイス業界の協議会(swissSPTC)が、2027年10月11日の移行に向けた推奨をまとめているSIX「Transition to T+1 Settlement in Europe and Beyond」
各機関の公式ページを2026年9月18日に当サイトが確認

AMFの説明では、対象は取引所などで執行された株式・債券などの取引です。相対で交渉した取引や、貸株・レポ取引などは対象外とされています。個人が証券会社を通じて取引所で株を売買する場合は、対象に入ると考えてよいと思います。

当サイトで扱う9取引所は、ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・デンマーク・オランダ・スウェーデンがEU、ほかにイギリスとスイスです。9取引所すべてが同じ日に切り替わる予定ということになります。

配当の日付はこう変わる

配当には3つの日付があります。ECBの実施ガイドの定義を、かみくだいて書くと次のとおりです。

  • 権利落ち日(ex-date):この日から、配当の権利が付かない状態で取引される日(日の始まりから)
  • 基準日(record date):その日の終わりの時点で、受け渡しが済んだ株を持っている人が配当を受け取れる日
  • 支払日(payment date):配当が支払われる日

基準日に株を持っているためには、基準日までに受け渡しが済んでいる必要があります。受け渡しに2営業日かかる今は、基準日の1営業日前が権利落ち日になっています。受け渡しが1日で済むようになると、この間隔が縮まります。

日付いま(T+2)2027年10月11日以降(T+1)
配当をもらえる最後の買付日基準日の2営業日前基準日の1営業日前
権利落ち日基準日の1営業日前基準日と同じ日
基準日——
支払日会社が決める基準日の翌日(推奨)
T+1の欄はECB「T+1 – Corporate Events Harmonised Implementation Guide」(2026年7月)の規則KD1・KD2による。T+2の欄は同ガイドの移行期間の例(基準日が月曜なら権利落ち日は前の金曜)から当サイトが整理

ここで大事なのは、「権利落ち日の前営業日までに買えば配当がもらえる」という関係は、今も後も変わらないことです。変わるのは、権利落ち日と基準日の間隔のほうです。

そのため、会社の発表や証券会社の画面で権利落ち日を見て買っている人は、やることは同じです。一方で、基準日だけを見て「2営業日前までに買えばよい」と覚えている人は、2027年10月以降は1日ずれることになります。欧州株の配当の時期そのものは配当カレンダーの記事にまとめています。

受け渡しは2027年10月にT+1へ変わりますが、権利落ち日を目安に買う人のやることは変わりません。いまの取扱銘柄を、口座の画面で見ておけます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。

移行の週(2027年10月4日〜15日)は特別な扱い

ECBの実施ガイドは、2027年10月4日(月)から15日(金)の間に日付が入る配当などは、なるべく発表しないよう発行する会社に勧めています。それでも避けられない場合の決め方は、次のとおりです。

基準日権利落ち日考え方
2027年10月11日(月)10月8日(金)T+2のルールで決める
2027年10月12日(火)10月12日(火)T+1のルールを使う最初の日
—10月11日(月)権利落ち日を置かない
出典:ECB「T+1 – Corporate Events Harmonised Implementation Guide」2.3.1節

この時期に権利落ち日がある銘柄を買う場合は、会社が発表した権利落ち日をそのまま確認するのが確実です。基準日から逆算しようとすると、ルールが切り替わる境目で間違えやすいと思います。

日本から欧州株を買う人への影響

変わるのは、取引所の側での受け渡しの日数です。個人投資家への影響として考えられるのは、次の2つだと思います。

  • 配当の日付の見方:上で見たとおり、権利落ち日を目安にしていれば変わらない。基準日から逆算している場合は1日ずれる
  • 売ったお金が使えるようになるまでの日数:取引所での受け渡しは1日早くなる。ただし、証券会社の口座にいつ反映されるかは証券会社の扱いによる

サクソバンク証券の口座で、受け渡し日や売却代金の反映がどう変わるかは、当サイトでは確認できていません。移行が近づいたら、同社からの案内を確認していただくのがよいと思います。また、日本と欧州では祝日が違うため、「営業日」がどちらの暦で数えられるかにも注意が要ります。

ここからは筆者の考えです。筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。今回の変更は、配当を目当てに権利落ちの直前に買うような売買をしない限り、長期で持つ人にはほとんど影響しないと思います。それでも、配当をもらえる日付を覚え直す必要がある人はいるので、2027年の秋が近づいたら一度思い出していただければと思います。

まとめ

  • EUの株式の受け渡しは2027年10月11日からT+1。イギリス・スイスも同じ日に移る予定で、当サイトが扱う9取引所がそろって切り替わる
  • T+1のもとでは権利落ち日=基準日。いまは権利落ち日が基準日の1営業日前
  • 権利落ち日の前営業日までに買えば配当をもらえる、という関係は変わらない
  • 2027年10月4日〜15日は特別な扱い。基準日が10月11日(月)なら権利落ち日は10月8日(金)
  • サクソバンク証券の口座での受け渡しや売却代金の反映の変化は、同社の案内で確認する

変更の前に口座を持っておきたい方は、開設の流れを先に見ておけます。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

受け渡しの変更を踏まえて欧州株の売買を始める場合の証券会社の選び方は、欧州株が買えるネット証券を比較した記事にあります。

この記事の検証方法

  • EUの移行日と対象は、フランス金融市場庁のT+1の解説ページ(2026年4月23日)を2026年9月18日に当サイトが確認しました
  • イギリスは英国政府のAccelerated Settlement (T+1)のページ、スイスはSIXのT+1のページで確認しました
  • 配当の日付のルールと移行期間の扱いは、欧州中央銀行のT+1 – Corporate Events Harmonised Implementation Guide(2026年7月)によります。T+2の関係は同ガイドの移行期間の例から当サイトが整理しました
  • このガイドは市場関係者向けの推奨で、個々の会社の配当の日付は各社の発表で確認する必要があります
  • サクソバンク証券の口座での受け渡し日・売却代金の反映の変化、日本の休日との関係は、当サイトでは確認できていません
  • 記載の内容は2026年9月18日時点のものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の制度と日付は2026年9月18日に当サイトが各機関の公式資料で確認した内容にもとづいており、今後の法令や市場の取り決めにより変わる場合があります。個別の銘柄の配当の日付は、会社の発表や証券会社の案内で必ずご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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