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この記事の結論
- トリグはデンマークを中心に北欧で自動車保険・住宅保険・企業向け保険を扱う損害保険会社です
- 魅力の核心:配当利回り5.60%
- 最大のリスク:配当性向110.59%——利益より多い金額を配当に回している状態
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約3,815円から(推奨ロット30株が目安/1株だと手数料負担率は約25.07%と重く、30株単位が前提)
配当利回り5.60%。デンマークを中心に北欧で自動車保険・住宅保険・企業向け保険を扱う損害保険会社トリグは、コンバインド・レシオ80.3%(2025年12月期)という保険引受の実力を示しながら、高い配当利回りを維持しています。会社発表(2026年1月22日)によると、2025年12月期の税引後利益は54億500万デンマーククローネで、前年の48億1,600万クローネから+12.2%増えました。
一方で、株価は1年で-9.22%下落し、直近12ヶ月の純利益も-9.10%と減益方向にあります。同じ保険という業種では、チューリッヒ保険(スイス)やマプフレ(スペイン)が比較対象としてよく挙げられます。
北欧の損害保険会社としての実力と、高い配当の裏側にある数字を、業績・配当・買い方の順に見ていきます。
トリグ株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 153.60デンマーククローネ(1株 約3,815円) |
| 52週レンジ | 146.50〜170.60クローネ |
| 時価総額 | 約915億クローネ |
| PER | 約20.5倍(予想 約15.7倍) |
| 配当利回り | 5.60%(1株配当 8.6デンマーククローネ) |
| 上場市場 | ナスダック・コペンハーゲン証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | -9.22% |
配当利回り5.60%という水準|トリグ株の魅力
配当利回り5.60%、1株配当8.6デンマーククローネ
2026年8月23日時点の配当利回りは5.60%、1株配当は8.6デンマーククローネです。ただし後述のとおり、実測の配当性向は110.59%で利益より多い金額を配当に回している状態のため、この利回りは配当性向とセットで見る必要があります。
投資家にとっては、当サイトで扱うデンマーク株のなかでも高い利回り水準だということです。ただし、この水準がそのまま続く保証があるわけではありません。
コンバインド・レシオ80.3%、保険引受は黒字
会社発表(2026年1月22日)によると、トリグの2025年12月期のコンバインド・レシオ(保険料に対する保険金と経費の比率)は80.3%で、前年の81.7%から改善しました。2026年10月9日に発表された中間報告では、2026年7〜9月期は76.8%(前年同期78.6%)でした。
投資家にとっては、コンバインド・レシオが100%を下回るほど保険の引受そのもので利益が出ていることを意味します。80%前後という水準は、保険会社としての本業の実力が高いことを示す数字です。
2025年12月期の税引後利益54億クローネ、前年比+12.2%
会社発表(2026年1月22日)によると、トリグの2025年12月期の税引後利益は54億500万クローネで、前年の48億1,600万クローネから+12.2%増えました。保険収益も403億5,600万クローネ(前年385億9,600万クローネ)、保険サービス利益は79億4,500万クローネ(前年70億5,600万クローネ。会計方針の変更に合わせて組み替えた数字)に伸びています。
投資家にとっては、収益の土台となる保険料収入と保険サービス利益がそろって伸びた結果としての増益だということです。
ソルベンシー比率203%(2026年9月末)
会社発表(2026年10月9日)によると、トリグの保険金支払い体力を示すソルベンシー比率は、2026年9月末で203%(2026年6月末196%)です。なお、買収したRSAの北欧事業からの統合効果は、2025年1月の発表(子会社トリグ・フォシクリングの2024年12月期)で累計9億3,000万クローネとされていました。
投資家にとっては、財務の余力を示す指標が高い水準にあり、買収による事業統合も数字として進んでいることを確認できるということです。
配当性向110.59%という危うさ|先に知っておきたいリスク
配当性向110.59%——利益より多い金額を配当に回している
トリグの実測の配当性向は110.59%です。これは、稼いだ利益より多い金額を配当に回している状態を意味します。会社発表(2026年10月9日の中間報告)によると、トリグは「名目で安定し、増えていく通常配当」を年単位で目指しており、営業利益ベースで60〜90%という配当性向の目安は、年間配当を増やすことより後に置くとしています。2026年1〜9月期の1株配当は合計6.45クローネ(前年同期6.15クローネ)で、当サイトが確認した範囲では減配の発表はありません。
なお、会社が公表している2025年12月期の配当性向は、営業利益ベースで82%です(年間配当8.20クローネ、会社発表2026年1月22日)。上の110.59%は、2026年8月23日時点の株価データ上の値です。当サイトの概算では、2025年12月期の税引後利益54億500万クローネに、2026年1〜9月期の前年同期との差(34億5,700万−41億2,800万)を加減した直近12か月は約47億3,400万クローネとなり、現在の年換算の配当(2.15クローネ×4=8.6クローネ)を当てはめると110%前後になります。デンマーク最高裁の労災保険判決による一時的な引当金(2026年4月)が利益を押し下げた期間を含むため、営業利益ベースの82%より高く出ています。どの利益を基準にするかで数字が大きく変わる点にご注意ください(上の110.59%の算出根拠そのものは、データ提供元の公表がなく当サイトでは確認できていません)。
投資家にとっては、配当利回り5.60%という数字だけを見るのではなく、この水準が続く保証はなく、業績が落ちれば配当の見直しが必要になりうるという前提を持っておく必要があるということです。
1年で株価-9.22%、直近12ヶ月の純利益は-9.10%
トリグの株価は1年で-9.22%下落しました。また、直近12ヶ月の純利益も-9.10%と減益方向にあります。実績PERは約20.5倍で、予想PERの約15.7倍を上回っています。
会社発表(2026年10月9日)によると、2026年1〜9月期の税引後利益は34億5,700万クローネで、前年同期の41億2,800万クローネを下回りました。この期間には、デンマークの労災保険をめぐる最高裁判決(2026年4月28日)を受けた一時的な引当金(税引前12億クローネ、税引後8億8,800万クローネ)が含まれています。一方、2026年7〜9月期だけを見ると、保険サービス利益は24億5,400万クローネ(前年同期21億8,100万クローネ)で、会社は過去最高と発表しています。
投資家にとっては、株価と直近の利益がともに下向きに動いている局面で、配当利回りの高さだけを理由に判断すると、この減益傾向を見落とすことになるということです。
1株買いの手数料負担率は25.07%、30株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.132%、最低38.5デンマーククローネ(約956円)です。1株(約3,815円)だけを買うと、手数料負担率は約25.07%にのぼります。
投資家にとっては、1株単位での購入は現実的でなく、30株単位(約114,500円)でのまとめ買いが前提になる、ということです。
トリグは北欧で自動車保険・住宅保険を扱う損害保険会社
トリグは、デンマークを中心に北欧で自動車保険・住宅保険・企業向け保険を扱う損害保険会社です。ナスダック・コペンハーゲン証券取引所に上場しています。
直近の通期決算(2025年12月期、2026年1月22日発表)では、会社発表によると保険収益は403億5,600万クローネ(前年385億9,600万クローネ)、保険サービス利益は79億4,500万クローネ(前年70億5,600万クローネ)、税引後利益は54億500万クローネ(前年48億1,600万クローネ、+12.2%)でした。年間の1株配当は8.20クローネ(前年7.80クローネ)、営業利益ベースの配当性向は82%です(出典:会社発表 https://www.globenewswire.com/news-release/2026/01/22/3223391/0/en/tryg-a-s-annual-report-2025.html)。
会社発表によると、2025年12月期のコンバインド・レシオは80.3%(前年81.7%)、2025年末のソルベンシー比率は196%でした。その後、2026年10月9日の中間報告(2026年1〜9月期)では、7〜9月期の1株配当が2.15クローネ(前年同期2.05クローネ)、ソルベンシー比率が203%となっています。2027年の目標として、保険サービス利益80〜84億クローネ、コンバインド・レシオ約81%を引き続き掲げています(出典:会社発表 https://www.globenewswire.com/news-release/2026/10/09/3377814/0/en/tryg-a-s-interim-report-q1-q3-2026.html)。
同じ保険という業種では、チューリッヒ保険(スイス)やマプフレ(スペイン)が比較対象としてよく挙げられます。なお、当サイトではトリグの日本での事業は確認できていません。
1株配当8.6デンマーククローネと、デンマークの源泉税は未確認
トリグの1株配当は8.6デンマーククローネ、表面利回りは5.60%です。会社発表によると、2025年12月期の年間配当は8.20クローネ(四半期ごとに2.05クローネ)で、2026年は7〜9月期の配当が2.15クローネ、1〜9月期の合計が6.45クローネ(前年同期6.15クローネ)です(2026年10月9日時点)。ただし、実測の配当性向は110.59%で、利益より多い金額を配当に回している状態です。この水準が続く保証はなく、業績が落ちれば配当の見直しが必要になりうる点は必ず押さえておく必要があります。
デンマークの配当源泉税は27%で、日本との租税条約の限度税率は15%です(2026年9月11日にデンマーク税務庁と財務省の資料で確認)。条約の15%が源泉徴収の時点で自動適用されるかは、当サイトでは確認できていません。口座開設時および配当受取前に、必ず証券会社にご確認ください。日本側では、現地源泉後の金額にさらに20.315%が課税されます。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
株価だけでなく、売上や利益、配当の推移も図で確かめたいときは、Simply Wall St という海外の分析サイトが使えます。欧州の上場企業も扱っていて、会社名で検索すると、その会社の財務の推移を一覧で見られます。サイトの画面は日本語にも対応しています。
無料プランでは、銘柄レポートを月5件まで見られます。登録から7日間は有料版の機能を試せます(クレジットカードの登録は不要)。当サイトはSimply Wall Stと提携しており、有料プランの申込みがあると紹介料を受け取ります。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料負担率25.07%
トリグの上場市場はナスダック・コペンハーゲン証券取引所のみで、ティッカーは「TRYG」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:TGVSY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | トリグ株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- デンマーククローネに両替する
- ティッカー「TRYG」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約3,815円 | 956円 | 約25.07% |
| 30株 | 約114,500円 | 956円 | 約0.84% |
手数料は約定金額の0.132%、最低38.5デンマーククローネ(約956円)です。1株だと手数料負担率は約25.07%と重く、現実的には30株単位のまとめ買いが前提になります。30株まとめると負担率は約0.84%まで下がります。
トリグを1株だけ買うと、手数料の負担率は約25.07%になります。最低手数料が効くため、まとめて買うほど負担率は下がります。実際の手数料を、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。配当には現地で源泉税がかかり、手取りは表面の利回りより下がります(本文参照)。
トリグ株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 高い配当利回りを狙いたい人 | 配当利回りは5.60% |
| 保険引受の実力を重視したい人 | コンバインド・レシオ80.3%(2025年12月期)で保険引受は黒字 |
| 30株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.84%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 少額の1株買いをしたい人 | 手数料負担率が約25.07%と重い |
| 配当性向の高さを気にする人 | 配当性向は110.59%で利益より多い金額を配当に回している |
口座開設から最初の1株までの流れは、公式サイトで確かめられます。
開設までの日数は当サイトの解説記事にあります。
トリグ株のよくある質問
トリグ株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がナスダック・コペンハーゲン証券取引所のみのためです。米国預託証券(TGVSY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約3,815円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約25.07%と重いため、30株単位(約114,500円)でのまとめ買いが前提です。
配当性向110.59%というのはどういう意味ですか?
稼いだ利益より多い金額を配当に回している状態を意味します。会社発表(2026年10月9日)によると、トリグは名目で安定し、増えていく通常配当を年単位で目指す方針で、当サイトが確認した範囲では減配の発表はありません。なお、会社が公表している2025年12月期の配当性向は営業利益ベースで82%で、どの利益を基準にするかで数字は変わります。ただし、この水準が続く保証はなく、業績が落ちれば配当の見直しが必要になりうる点は押さえておく必要があります。
配当は今後も減らされませんか?
当サイトでは分かりません。配当性向110.59%は利益より多い金額を配当に回している状態で、会社発表(2026年10月9日)によると名目で安定し、増えていく通常配当を目指す方針とされていますが、今後の配当方針を当サイトで保証するものではありません。
ADR(TGVSY)とトリグ株(TRYG)の違いは何ですか?
TGVSYは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うTRYGはナスダック・コペンハーゲン証券取引所に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ:高い配当利回りと、利益を超える配当性向
- メリット:配当利回り5.60%(ただし配当性向110.59%)/コンバインド・レシオ80.3%で保険引受は黒字/2025年12月期の税引後利益は前年比+12.2%
- デメリット:配当性向110.59%で利益より多い金額を配当に回している/株価は1年で-9.22%、純利益も-9.10%と減益方向/1株買いの手数料負担率は25.07%と重い
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約3,815円から。30株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.84%
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、IB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はトリグ社の公表資料(2026年10月9日の中間報告まで)に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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