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この記事の結論
- SBI証券・楽天証券・マネックス証券で買えない理由は、米国のNYSE・ナスダックに上場していないから(各社の外国株は米国株が中心)
- ASMLのように米国重複上場があればネット証券でも買えるが、LVMHなど米国に上場していない欧州企業は対象外
- 米国ADR(LVMUY等)があってもOTC区分は新規買付ができない(楽天証券が明記)
- 日本の証券会社でも、野村證券(オンラインでドイツ株66銘柄)と大和証券(店舗・電話で欧州13か国)は欧州の原株を扱っている(2026年10月12日確認)。ほかにサクソバンク証券・IB証券などがある
「ラインメタルの株を買いたい」「LVMHに投資したい」——そう思ってSBI証券や楽天証券で検索しても、該当する銘柄が見つかりません。これは検索の仕方が悪いのではなく、そもそも取り扱っていないだけです。
この記事では、なぜ日本の大手ネット証券で多くの欧州株が買えないのか、その理由を整理します。当サイトで扱った実例をもとに解説します。
結論:理由は「米国市場に上場しているかどうか」だけ
SBI証券・楽天証券・マネックス証券が「外国株」として扱っているのは、その大半が米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)かナスダックに上場している銘柄です。欧州の証券取引所(フランクフルト、パリ、ロンドンなど)の株は、SBI・楽天・マネックスのほか、松井証券・三菱UFJ eスマート証券といったネット証券も扱っていません。一方、対面の大手では野村證券と大和証券が扱っています(後述)。
つまり「欧州企業だから買えない」のではなく、「米国市場に上場していない欧州企業だから買えない」というのが実態です。この違いを2社の実例で見てみます。
| ASML(オランダ) | LVMH(フランス) | |
|---|---|---|
| 上場市場 | アムステルダム+ナスダック | ユーロネクスト・パリのみ |
| SBI・楽天で買えるか | ○ 買える | × 買えない |
ASMLは同じ欧州企業でありながら、米国市場に重複上場しているため日本の大手証券でも購入できます。一方でLVMH、ネスレ、ラインメタルなど米国に上場していない欧州企業は、SBI証券・楽天証券では軒並み対象外になります。
「米国ADRがあるから買える」わけでもない
欧州企業を調べると、多くの場合「LVMUY」「NSRGY」のような米国預託証券(ADR)のティッカーが見つかります。これを見て「じゃあ買えるのでは」と考える方も多いはずですが、ここに2つ目の壁があります。
このようなADRの多くは、ニューヨーク証券取引所やナスダックには上場しておらず、OTC(店頭市場)という区分で取引されています。楽天証券は、外国株の取扱いについて次のように明記しています。
「新規の買付けは受け付けておりません。また、お客様が保有している銘柄で、倒産(連邦破産法第11条を適用申請)などにより、ニューヨーク証券取引所やナスダック、またはCboeに上場していた銘柄がOTC市場へ移行した場合であっても、事前に通知されることなく売却が出来なくなる可能性があります。」
OTC銘柄は新規の買付けができないということです。当サイトで扱った欧州企業のうち、ADRが存在するものはすべてこのOTC区分に該当し、この壁に阻まれています。
実例で見る「買えない理由」のパターン
パターン1:米国の競合は買えるのに、欧州企業は買えない
同じ業界で比較すると、この構造が分かりやすくなります。
SBI証券・楽天証券では、企業の規模や知名度、業績とは無関係に、上場している場所だけで結論が決まります。なお、ドイツ上場のアディダスは野村證券のオンラインで扱いがあります(2026年10月12日確認)。
パターン2:フランス株・イギリス株はチャートすら表示しにくい
買えないだけでなく、無料のチャートツール(TradingView)でもユーロネクスト・パリとロンドン証券取引所の銘柄は埋め込み表示ができません。当サイトでは、これらの市場の銘柄を紹介する際、米国ADRのチャート(ドル建て)で代用しています。ここにも「欧州の取引所に直接アクセスする手段がいかに限られているか」が表れています。
パターン3:親会社は買えないのに、子会社は買える
ドイツテレコムは米国の通信大手T-Mobile USの親会社ですが、T-Mobile US本体はナスダック上場なので買えるのに、親会社のドイツテレコムはフランクフルト上場のみで、SBI証券・楽天証券では買えません。(ドイツテレコムは、野村證券のオンラインではドイツ株として扱いがあります。)グループの一部が米国に上場していても、それだけでは親会社まで買えるようにはならないという例です。
では、どうすれば買えるのか
欧州の原株を扱う証券会社を使います。
当サイトはこれまで、日本から欧州の原株を買える証券会社はサクソバンク証券などごく一部だけ、という書き方をしてきましたが、正確ではありませんでした。2026年10月12日に各社の公式サイトで確かめたところ、SBI証券・楽天証券・マネックス証券などのネット証券は欧州の原株を扱っていない一方、野村證券と大和証券は扱っています。買える証券会社を実際より狭く書いていたことをお詫びし、訂正いたします(2026年10月12日訂正)。
| 証券会社 | 欧州の原株(現地上場の株) | NISA(成長投資枠) |
|---|---|---|
| SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・三菱UFJ eスマート証券 | × 扱っていない(米国株が中心) | — |
| 野村證券(オンライン) | ○ ドイツ(Xetra)のみ。野村が選んだ66銘柄。1株から、買い注文は指値のみ | 66銘柄のうち64銘柄に表示あり |
| 大和証券(店舗・電話) | ○ 欧州13か国(イギリス・スイス・デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・オランダ・ベルギー・オーストリア) | 当サイトでは確認できていません。 |
| サクソバンク証券 | ○ 欧州9取引所・1,800銘柄以上 | 対象外 |
野村證券のオンラインで扱う欧州の原株はドイツだけです(LVMH・ネスレなどは出てきません)。費用は、国内の手数料(最大1.045%。売買代金75万円以下は最大7,810円。オンラインの注文は20%割引)に、現地の手数料と税金が別にかかります。ドイツの現地手数料の額と、注文画面・為替の費用は、当サイトでは確認できていません。また、NISAで持っても、ドイツで差し引かれる配当の税金は非課税にならず、外国税額控除の対象にもならないと野村證券は説明しています。
大和証券は欧州株の注文を店舗か電話で受け付けていて、公式ページのインターネットの欄は「-」です。国内の取次手数料は最大0.99%で、別に現地の手数料がかかります。個々の銘柄の取扱いとNISAは、当サイトでは確認できていません。
出典:野村證券「外国株式」・「お取引のルール」・「NISA取扱い開始」・株価検索(ドイツ)、大和証券「欧州株」(2026年10月12日確認。広告ではありません)。
この記事で気になった銘柄が実際に取引できるかを、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。最低手数料が効くため、少額の買付では負担率が上がります。
国別に見る、SBI・楽天では買えない銘柄の一覧
当サイトで解説した銘柄のうち、SBI証券・楽天証券では買えないものを国別に整理しました。気になる企業から個別記事をご覧ください。
ドイツ
ラインメタル・アディダス・BMW・バイエル・アリアンツ・シーメンス・フォルクスワーゲン・メルセデス・ベンツ・ポルシェ・インフィニオン・ミュンヘン再保険・BASF・ドイツテレコム・MTUエアロエンジンズ
このドイツの14社は、いずれも野村證券のオンラインの銘柄一覧(ドイツ株66銘柄)にあります(ポルシェは野村ではP911、優先株。野村證券の株価検索、2026年10月12日確認)。ドイツ以外の欧州の原株は、野村のオンラインでは扱いがありません。
フランス
LVMH・エルメス・エアバス・ロレアル・シュナイダーエレクトリック・ケリング・エシロールルクソティカ・サフラン・ペルノ・リカール
スイス
ネスレ・ロシュ・リシュモン・スウォッチ・スイス再保険・チューリッヒ保険
イギリス
イタリア・スペイン・デンマーク
モンクレール・フェラガモ・カンパリ・インディテックス(ZARA)・イベルドローラ・アマデウス・ヴェスタス・カールスバーグ・マースク
まとめ
- SBI証券・楽天証券・マネックス証券で欧州株が買えないのは、米国のNYSE・ナスダックに上場していないから
- 米国ADRが存在しても、OTC(店頭市場)区分では新規買付ができない
- 買うには欧州の原株を扱う証券会社を使う。国内では野村證券(オンラインはドイツ株のみ)・大和証券(店舗・電話で欧州13か国)・サクソバンク証券・インタラクティブ・ブローカーズ証券などがある
- SBI・楽天では、企業の規模や知名度は無関係。上場している場所だけが分かれ目
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 10株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | ドイツ株なら野村證券(成長投資枠の表示あり)、ほかはIB証券という選択肢も(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、ドイツ株なら野村證券、ほかはIB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や証券会社の利用を推奨するものではありません。記載の内容は2026年8月13日時点(野村證券・大和証券などの取扱いは2026年10月12日時点)で確認した情報に基づいており、各社の規定変更により内容が異なる場合があります。実際の取扱商品・取引条件は各証券会社の公式サイトで必ずご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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