※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
VW・アウディ・ポルシェなどを傘下に持つフォルクスワーゲンは、9月に今年の利益見通しを大きく引き下げ、株価は52週の安値の近くまで下がりました。戻るかどうかは、10月29日の決算で示される特別損失の額と、次の配当がどこまで減るかにかかっていると考えます。当サイトは12か月後の株価を48.72〜120.78ユーロ、基本は83.75ユーロと見ています。
チャート:TradingView(XETR:VOW3)
広告TradingViewでフォルクスワーゲン(優先株)のチャートを詳しく見る
フォルクスワーゲンの株価は、なぜここまで下がったのか
一番の理由は、利益の見通しの引き下げです。9月18日、会社は今年の営業利益率の見通しを「最大1%」に引き下げると発表しました(臨時開示)。ポルシェ事業ののれんの減損(約60億ユーロ)、早期退職制度の拡大、中国での資産の減損などで、年間で約100億ユーロの特別損失を見込むためです。これを除いた営業利益率は約4%になるとしています。
悪化はその前から続いていました。上半期(1〜6月、7月24日発表)は、営業利益が59億ユーロで前年同期比11.6%減、営業利益率は3.8%でした。中国の販売台数は31.6%減り、合弁会社からの利益も前年の約3分の1でした。
9月には、オスナブリュック工場の運営会社の売却で合意し、複数の労働協約を年末で解約して見直すと発表しました(会社発表)。こうした費用が特別損失の中身です。
12か月後のフォルクスワーゲン株価はいくらと見るか
基本の83.75ユーロは、アナリストの目標株価の平均より2割ほど低い値です。
10月9日には、UBSが「中立」のまま目標を80→70ユーロに下げました(stockanalysis.com)。
今年の予想PERは、同じドイツのBMWが7.95倍、メルセデス・ベンツが7.23倍です(stockanalysis.com、10月9日の株価)。同業の半分ほどで、市場は利益予想を信じきっていないと見ています。
売上・利益・配当の推移を、図で確かめられます
財務の推移を図で見る›無料プランでは銘柄レポートを月5件まで見られます。登録から7日間は有料版の機能を試せます(クレジットカードの登録は不要)。画面は日本語に対応しています。当サイトはSimply Wall Stと提携しており、有料プランの申込みがあると紹介料を受け取ります。
10月29日の決算で見る点と、予想が外れる条件
- 本業の利益率:特別損失を除いた営業利益率(会社見通しは約4%)を下回ると、調整後の利益予想が下がり、弱気に近づきます
- 中国の不振:中国市場は約2割縮んでいると会社は説明しています。合弁会社からの利益がさらに減ると、2027年の伸びが崩れます
- 関税と中東情勢:見通しは今の関税が続く前提で、中東情勢の悪化の影響は含まれていません
配当利回り7%台は、来年も続くのか
アナリストの2026年度の1株配当の予想は平均5.19ユーロ(今の株価で利回り7.63%)で、ほぼ前年並みです(stockanalysis.com、10月12日確認)。ただし、最終損益は赤字の予想です。
会社の配当方針は、株主に帰属する税引き後利益の「少なくとも30%」を配当に回すというものです。2025年度の配当性向は約39.2%でした(会社の配当のページ)。赤字になれば、方針の比率だけでは額が決まりません。特別損失(約100億ユーロ、大半は7〜9月期の計上見込み)が10月29日の決算で上積みされると、赤字が広がり、配当にも響きます。
2026年度分の配当は、2027年の株主総会に会社が提案して決まります。前年と同じ額が出るかは、まだ分かりません。利回りの高さだけで判断せず、10月29日の決算と、来年の配当案を待って確かめる銘柄と考えます。
株主構成は?ポルシェSE・ニーダーザクセン州・カタールと、中国との関係
議決権の比率(2025年12月31日時点、会社の「株主構成」のページ)
| ポルシェSE(ポルシェ・オートモービル・ホールディング) | 53.3% |
|---|---|
| ニーダーザクセン州 | 20.0% |
| カタール・ホールディング | 17.0% |
| 浮動株 | 9.7% |
議決権のある普通株の比率で、上位3者が9割を持ちます。ポルシェSEは、フォルクスワーゲンの普通株の過半と、ポルシェAGの普通株の25%+1株を持つ持株会社です(ポルシェSEの会社紹介)。資本全体での比率と、ポルシェSEの議決権を誰が持つか(創業家との関係)は、当サイトでは確認できていません。
公表されている大株主に、中国の企業や政府は入っていません。資本の関係は逆向きで、フォルクスワーゲンが中国の合弁会社や電池メーカーの国軒高科に出資しています(会社発表)。
フォルクスワーゲン株は日本から買えるか・どこで買うか
フォルクスワーゲンの株はドイツの取引所に上場していて、米国の預託証券(ADR)は店頭市場(OTC)での取引だけのため、SBI証券・楽天証券・マネックス証券では買えません(欧州株が買えない理由)。ドイツの原株を買う道は、野村證券とサクソバンク証券です。野村證券の銘柄ページには、優先株(G9007)・普通株(G0750)とも「売買単位:1株」「NISA(成長投資)」と表示があります。オンラインでの注文と手数料は、ログインが要るため未確認です。
| SBI証券 | × 取扱いなし |
|---|---|
| 楽天証券 | × OTC銘柄の新規買付は受け付けていないと明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
| 野村證券 | ○ ドイツの原株(VOW3・VOW)。NISA(成長投資)の表示あり |
| サクソバンク証券 | ○ ドイツ取引所の株を売買できる(フォルクスワーゲンの取扱いは、口座(デモ)の銘柄検索で確かめられます)。NISAは対象外 |
ドイツ上場のフォルクスワーゲン株(VOW3)を、日本語の画面で売買できます
口座開設の流れを公式で見る›欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。開設までの日数は当サイトの解説記事にあります。
フォルクスワーゲン株のよくある質問
Q. 優先株(VOW3)と普通株(VOW)は、どちらを買えばよいですか?
A. 議決権が要らなければ、取引が多く配当がわずかに多い優先株(2025年度は普通株5.20ユーロに対し5.26ユーロ)が選ばれやすいと考えます。仕組みはドイツ株の優先株とはにまとめています。
Q. NISAで買えますか?
A. 野村證券の銘柄ページには、優先株・普通株ともNISA(成長投資)の表示があります。サクソバンク証券はNISAに対応していないため、特定口座か一般口座での取引になります。欧州株をNISAで持つ方法は欧州株はNISAで買えるのかで解説しています。
まとめ:52週安値の近くから戻るかは、決算と配当案しだい
当サイトは、来年の調整後の利益が予想どおり伸びれば、基本の価格あたりまで戻る余地があると見ています。中国の不振が続けば、弱気の価格に近づきます。特別損失が増えれば、次の配当が減る可能性があります。まずは10月29日の決算で、特別損失と来年の見通しを確かめるのがよいと思います。
次に読む
比べる BMW株の買い方と株価・配当・業績|PER5.69倍の理由は中国とEVの明暗【2026年】 › 同じドイツの自動車大手と比べられます 次の疑問 ポルシェ株は上場時の半値|配当と利益が戻る時期と12か月予想【2026年】 › グループのスポーツカー会社の見通しが分かります 別の道 欧州自動車株まとめ|BMW・メルセデス・ポルシェ・VW 4社比較【2026年】 › 欧州の自動車4社をまとめて見られますこの記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
あわせて読みたい
この記事は、公表された数字・公開データ・市場予想をもとに当サイトの見方をまとめたもので、特定の売買をおすすめするものではありません。見方は記事の時点のもので、相場の先行きを保証するものではありません。株式は値動きにより元本を割り込むおそれがあり、外国株は為替の変動による損失も生じます。お取引はご自身の判断と責任で行ってください。株価・為替・アナリスト予想は2026年10月12日に確認したもので、業績と見通しはフォルクスワーゲンの公表資料(2026年7月24日の上半期決算、9月18日の臨時開示、会社の配当・株主構成のページ)にもとづきます。

コメント