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ラインメタルは、戦車・装甲車・弾薬・防空システムを手がけるドイツの防衛企業です。受注残は805億ユーロと過去最高なのに、株価はこの1年で半分ほどになりました。理由と、戻る条件を整理します。当サイトは12か月後の株価を基本1,336ユーロと見ています。評価がすでに同業並みのため上値の幅は小さく、アナリストの平均(1,580ユーロ)より下の見方です。この先は、受注残が利益に変わる速さで決まると考えています。
チャート:TradingView(XETR:RHM)
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受注は過去最高なのに、ラインメタルの株価はなぜ半分になったのか
業績は伸びています。2026年8月6日に発表した上半期(1〜6月)の売上高は52億2,700万ユーロで前年同期比39%増、営業利益は74%増の7億8,600万ユーロでした。4〜6月期の営業利益率は17.1%で、会社は過去最高と説明しています。受注残(確定した受注に枠契約から見込む発注分を加えた会社独自の指標)は、1年前の560億ユーロから大きく増えました。
それでも株価が下がった理由は、大きく3つあると見ています。1つめは、ドイツ政府がF126フリゲート艦の計画を取りやめ、2026年の売上高の見通しが3億ユーロ下がって137億〜142億ユーロになったこと。2つめは、上半期の営業フリーキャッシュフローが16億1,600万ユーロの流出だったこと(前払い金の時期のずれと在庫の積み増し)。3つめは、先に大きく上がっていた分の評価の調整です。
評価の下がり方は、予想PER(その時点の次の年度の予想利益に対する倍率)で見ると分かります。2025年末の38.59倍から、今は25.19倍です。それでも2024年末の21.87倍よりは高く、欧州の同業4社の平均(25.44倍)とほぼ同じ水準です。割安になったというより、同業並みの評価に戻った位置だと見ています(倍率はいずれもstockanalysis.comの同じ計算方法)。
ラインメタルの株価は今後どうなるか(当サイトの12か月予想)
基本と強気が近いのは、評価がすでに同業並みに戻り、倍率が上がる余地が小さいと見ているためです。
10月9日には、ベレンベルクが評価を「中立」に下げ、目標株価を1,600→1,020ユーロに引き下げました。中立の社は8月の2人から4人に増えています(stockanalysis.com)。当サイトの基本は利益×倍率で計算しており、平均より下になっています。
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ドイツの防衛予算は、この先どこまで増えるのか
ドイツの2027年予算案では、国防費が通常の国防予算(1,097億ユーロ)と連邦軍特別基金(299億ユーロ)を合わせて1,396億ユーロと、2026年より314億ユーロ増えます。装備の調達は600億ユーロ超の計画で、9月9日に連邦議会で第1読会が開かれ、まだ可決されていません(ドイツ連邦議会)。
NATO加盟国も、2025年6月25日のハーグ首脳会議の宣言で、2035年までに国防とその関連に毎年GDPの5%を充てることで合意しました(うち中核の国防費が3.5%以上)。上半期の売上の38%はドイツ向けで、予算の増加が受注に結びつきやすいと見ています。
何が起きたら、ラインメタルの株価はさらに下がるのか
- 停戦・和平:ロシアとウクライナの停戦が成立すると、弾薬などの急ぎの需要が落ち着き、防衛株の評価が下がりやすくなります。
- 大型案件の取り消し・遅れ:F126のように、見込んでいた売上が政府の判断で消えることがあります。枠契約からの見込み分は、規模や時期が変わる可能性があります
- 現金の流出が続く:投資と在庫の積み増しが続くと、利益が伸びても評価されにくくなります
- 為替:円高ユーロ安は、円での評価額を減らします
ラインメタルとは何の会社で、戦車や弾薬のほかに何を作っているのか
本社はドイツのデュッセルドルフで、従業員は約2万9,600人です(stockanalysis.com)。事業は車両システム(戦車・装甲車)、武器・弾薬、防空、デジタル、2026年2月に買収した艦艇の5部門です。上半期にいちばん利益を出したのは武器・弾薬部門で、営業利益率は23.7%でした。
最高経営責任者(CEO)はアルミン・パパーガー氏です。比べる相手は、英国のBAEシステムズ、フランスのタレス、イタリアのレオナルドです。違いは防衛関連株の比較にまとめています。
ラインメタル株は日本で買えるのか(SBI証券・楽天証券の場合)
株はドイツの取引所に上場していて、米国では店頭市場(OTC)で取引されているだけのため、日本の大手ネット証券では買えません(理由のまとめ)。
| SBI証券 | × 取扱いなし |
|---|---|
| 楽天証券 | × OTC銘柄の新規買付は受け付けていないと明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
| サクソバンク証券 | ○ ドイツ取引所の株を売買できる(ラインメタルの取扱いは、口座開設後に銘柄検索で確認できます) |
1株(約17万円)の注文では、0.088%で計算した額が最低に届かないため、手数料は3.3ユーロです。配当の源泉税のうち、日独の租税条約の15%を超える部分は、ドイツへの還付請求で取り戻せる仕組みがあります(還付の手続き)。
ドイツ上場の欧州株を、日本語の画面で売買できます
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ラインメタル株のよくある質問
Q. 11月5日の決算で何を見ればいいですか?
A. 7〜9月期の決算は11月5日の予定です(stockanalysis.com)。見る点は、①受注残がどれだけ売上に変わったか、②F126の取りやめの後で通期の見通しが保たれたか、③営業フリーキャッシュフローの流出が縮んだか、の3点です。結果の受け止め方は、ご自身でご判断ください。
Q. 配当はいくらもらえますか?
A. 2025年12月期の配当は1株11.50ユーロでした(2026年5月に権利落ち)。ドイツと日本の両方で税金が引かれるため、手取りは表面の利回りより下がります。
まとめ:評価はもう同業並み。戻るかどうかは、受注残が利益に変わる速さ次第
株価が半分になったのは、業績が崩れたからではなく、高かった評価が同業並みまで下がったためだと見ています。停戦や大型案件の取り消しが起きると、弱気の価格に近づきます。次に見るのは、7〜9月期決算と、ドイツの2027年予算の審議です。
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ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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この記事は、公表された数字・公開データ・市場予想をもとに当サイトの見方をまとめたもので、特定の売買をおすすめするものではありません。見方は記事の時点のもので、相場の先行きを保証するものではありません。株式は値動きにより元本を割り込むおそれがあり、外国株は為替の変動による損失も生じます。お取引はご自身の判断と責任で行ってください。株価・為替・手数料・アナリスト予想は2026年10月11日に確認したもので、業績と見通しはラインメタルの公表資料(2026年8月6日の上半期決算)、国防費はドイツ連邦議会の発表(2027年予算案の第1読会)とNATOのハーグ首脳会議宣言(2025年6月25日)にもとづきます。

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