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欧州株の配当税を9か国で比較|イギリスは源泉徴収なし、スイスは35%【2026年】

欧州株の配当税を9か国で比較|イギリスは源泉徴収なし、スイスは35%【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 現地源泉税が最も軽いのはイギリス(通常の配当に源泉徴収なし)、次いでフランス(原則12.8%・条約の限度税率10%)。最も重いのはスイス(35%)
  • サクソバンク証券で買える9か国の税率を、各国税務当局の一次資料で確認して1つの表にまとめました(7か国は2026年9月11日、オランダ・スウェーデンは9月13日に確認)
  • ドイツは源泉26.375%のうち、条約限度15%を超える約11.375%が外国税額控除の対象外
  • スイスは源泉35%のうち約25%が取り戻せない(欧州で最も重い)
  • 実質利回り=表面利回り×(1−現地源泉税率)×(1−20.315%)で目減りする

※この記事は2026年9月11日に、対象をドイツ・スイス・フランスの3か国から、サクソバンク証券で買える7か国すべてに広げて書き直しました。当初はフランスの現地源泉税を「—」、イギリスを「要確認」としていましたが、各国の一次資料で確認したところ、フランスは原則12.8%、イギリスは通常の配当に源泉徴収がありませんでした。その結果、最も軽い国はフランスではなくイギリスに変わっています。お詫びして訂正します。また2026年9月13日に、手数料表で取引所が確認できたオランダとスウェーデンを加えて9か国にしました。

欧州株の配当利回りを見て「高い」と思っても、実際に手元に残る金額は表面利回りより大きく目減りします。理由は、現地の源泉税が日本の米国株投資よりもかなり重いためです。

この記事では、当サイトで扱ってきた掲載銘柄の実例をもとに、国ごとの配当課税の違いを一覧で整理します。

目次

結論:イギリスは源泉徴収なし、フランスは12.8%、スイスの35%が最も重い

国現地源泉税(非居住者)日本との条約限度税率条約を超えて引かれる分(現地に請求しないと戻らない)
イギリス通常の配当に源泉徴収なし—なし(請求そのものが不要)
フランス12.80%(2026年1月1日時点)10%約2.8%
オランダ15%10%約5%
スペイン19%5%約14%
ドイツ26.375%15%約11.375%
イタリア26%15%約11%
デンマーク27%15%約12%
スウェーデン30%10%約20%(スイスに次いで重い)
スイス35%10%約25%(欧州で最も重い)
各国税務当局の公式ページと財務省の租税条約資料を2026年9月11日(オランダ・スウェーデンは9月13日)に当サイトが確認。条約の限度税率が源泉徴収の時点で自動適用されるかは証券会社によるため、実際の徴収率は口座の取扱いで変わります

なお、イギリスでもREIT(不動産投資信託)が賃貸事業の利益から払う配当(PID)は例外で、20%が差し引かれます。仕組みと還付の手続きはイギリスのREITの配当の記事にまとめました。

オランダとスウェーデンの2か国は、条約を超えた分を取り戻す手続きも含めてオランダ株とスウェーデン株の配当税の記事で詳しく扱っています。

日本側では、現地で源泉徴収された後の金額に対してさらに20.315%が課税されます。二重課税分は確定申告の外国税額控除で調整できますが、控除できるのは租税条約の限度税率までです。それを超える部分は、現地の税務当局へ直接還付請求しない限り戻ってきません。

実質利回りの計算式

配当を100として、確定申告での外国税額控除を使わなかった場合の概算です。

実質利回り = 表面利回り ×(1 − 現地源泉税率)×(1 − 20.315%)

ドイツ株の場合

配当100 → ドイツで26.375%源泉徴収 → 73.6 → 日本でさらに20.315%課税 → 手取り約58.7。つまり実質利回りは表面の約58.7%になります。

スイス株の場合

配当100 → スイスで35%源泉徴収 → 65 → 日本でさらに20.315%課税 → 手取り約51.8。実質利回りは表面の約51.8%まで下がります。

ただし、スイスの会社が資本準備金から払う配当には、35%の源泉税がかかりません。2026年にはUBSが配当の半分、サンライズ・コミュニケーションズが全額をこの形で払っています。仕組みと見分け方は資本準備金から払われる配当の記事にまとめました。

当サイトの実例で比較する

銘柄国表面利回り実質利回りの目安
BMW独7.42%約4.35%
フォルクスワーゲン独7.04%約4.13%
チューリッヒ保険瑞5.09%約2.64%
ミュンヘン再保険独4.70%約2.76%
スイス再保険瑞4.56%約2.36%
BASF独4.47%約2.62%
ネスレ瑞3.92%約2.03%
アリアンツ独3.90%約2.29%

同じ「表面利回り4〜5%」でも、ドイツ株かスイス株かで実質利回りに差が出ます。スイスの2社(チューリッヒ保険・スイス再保険)とドイツの2社(ミュンヘン再保険・BASF)を比べると、表面利回りが近いのに実質はスイス側がやや低くなる傾向が見て取れます。

フランス株はなぜ有利なのか

フランスが非居住者の配当に課す源泉税は原則12.80%(2026年1月1日時点)で、日仏租税条約の限度税率は10%です。原則の税率がドイツ(26.375%)やスイス(35%)より大きく低いうえ、条約との差も2.8%と小さいのが特徴です。LVMH・エルメス・ケリングなど当サイトで扱ったフランス株は、いずれもこの条約の恩恵を受けます。

ただし実際に何%が源泉徴収されるかは、証券会社が租税条約の優遇税率をどう適用するかによって変わります。口座開設時に確認してください。

この記事で気になった銘柄が実際に取引できるかを、口座の画面で確かめられます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。最低手数料が効くため、少額の買付では負担率が上がります。

還付を諦めるという選択肢

ドイツ・スイスの「取り戻せない部分」は、理論上は現地税務当局への直接還付請求で回収できます。しかし手続きの言語・書式・時間的コストを考えると、多くの個人投資家にとって現実的ではありません。本記事の「実質利回り」は、この還付請求をしない前提の数字です。還付を実行すれば、これより高い利回りになります。

まとめ

  • イギリスは通常の配当に源泉徴収がなく、9か国で最も軽い。次いでフランス(原則12.8%・条約の限度税率10%)
  • スイスの現地源泉税35%は欧州で最も重い。表面利回りの半分近くまで実質が下がる
  • スウェーデンは30%でスイスに次いで重い。オランダは15%で、イギリス・フランスに次いで軽い
  • ドイツは26.375%で、条約限度15%との差約11.375%は外国税額控除の対象外
  • 配当狙いで欧州株を選ぶなら、国ごとの税制差を織り込んで比較する必要がある
こんな人はやり方
10株単位でまとめ買いできるサクソバンク証券で現物
NISAの非課税で持ちたいIB証券という選択肢もある(比較記事へ)
短期の値動きだけ取りたいCFD(現物保有はできない)

この記事で気になった銘柄が実際に取引できるかを、口座の画面で確かめられます。

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この記事の検証方法

  • 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
  • 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
  • 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
  • 配当の現地源泉税率と日本との条約限度税率は、各国税務当局の公式ページ(gov.uk・impots.gouv.fr・AEAT・bzst.de・agenziaentrate.gov.it・skat.dk・estv.admin.ch、オランダ・スウェーデンは2026年9月13日に belastingdienst.nl・skatteverket.se)と財務省の租税条約資料を2026年9月11日に確認しました。当初のドイツ・スイス・フランス3か国版を7か国に広げた際、フランス12.8%とイギリス「源泉徴収なし」を追加しています
  • 条約の限度税率が源泉徴収の時点で自動適用されるかは証券会社の取扱いによるため、実際の徴収率は当サイトでは確認できていません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や税務上の助言を目的としたものではありません。記載の税率・利回りは2026年8月13日時点で確認した情報に基づく概算であり、実際の課税関係は口座の種類・証券会社の手続き・個々の状況により異なります。正確な税務の取扱いは税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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