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オランダ株とスウェーデン株の配当税|スウェーデンはスイスに次いで重い【2026年】

オランダ株とスウェーデン株の配当税|スウェーデンはスイスに次いで重い【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 配当にかかる現地の税金は、オランダが15%、スウェーデンが30%です。スウェーデンは、当サイトで扱う欧州9か国の中でスイス(35%)に次いで重い水準です
  • 日本との租税条約の限度税率は、どちらも10%です。条約を超えて引かれる分は、オランダ5%、スウェーデン20%になります
  • この超過分は日本の確定申告では取り戻せず、現地の税務当局に請求する必要があります。期限はどちらも原則5年です
  • サクソバンク証券が、この2か国の配当に源泉徴収の時点で条約の税率を適用するかは、当サイトでは確認できていません

サクソバンク証券の手数料表には、2026年8月19日版からアムステルダムとストックホルムの取引所が載っています。ASMLやハイネケン、ボルボやアトラスコプコといった会社の株を、日本語の口座から買える入り口ができたことになります。

ただ、配当を受け取る側から見ると、この2か国は性格がかなり違います。オランダは欧州の中では軽いほうで、スウェーデンは重いほうです。同じ「北のヨーロッパの株」とひとくくりにすると、手取りの見込みを大きく外すことになります。この記事では、2か国の配当税の率、手取りへの影響、そして条約を超えて引かれた分を取り戻す手続きを、両国の税務当局と財務省の資料で確認して整理します。

先にお断りしておくと、本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。記載の税率・期限は2026年9月13日に当サイトが一次資料で確認した内容です。実際の手続きにあたっては、税理士や税務署、現地の税務当局にご確認ください。

目次

2か国の配当税——現地の税率と、条約の限度税率

まず数字を並べます。「現地の税率」は、その国の会社が配当を払うときに差し引く原則の率です。「条約の限度税率」は、日本との租税条約で決められた上限です。この2つは別の数字で、原則の率で引かれたあと、条約の上限との差をどう扱うかが問題になります。

国現地の配当税(原則)日本との条約の限度税率(一般の配当)条約を超えて引かれる分
オランダ15%10%5%
スウェーデン30%10%20%
オランダ税務当局(Belastingdienst)・スウェーデン税務庁(Skatteverket)の公式ページと、財務省の租税条約資料を2026年9月13日に当サイトが確認

オランダとの条約は2010年8月25日に署名され、2011年12月29日に発効した新しい条約です。それ以前の旧条約では、一般の配当の上限は15%でした。スウェーデンとの条約は2013年12月5日署名の改正議定書で、上限が15%から10%に下がっています(2014年10月12日発効)。どちらも、持株割合が大きい会社間の配当にはさらに低い率がありますが、個人の投資家に関係するのは「一般の配当」の10%です。

日本側では、現地で引かれたあとの金額に、さらに20.315%がかかります。二重課税の分は確定申告の外国税額控除で調整できますが、控除の対象になるのは条約の限度税率までです。オランダの5%、スウェーデンの20%という超過分は、日本の手続きでは戻ってきません。確定申告の側の手順は、欧州株の確定申告と外国税額控除の記事で扱っています。

手取りはどれだけ減るか——欧州9か国の中での位置

配当を100として、外国税額控除も現地への還付請求もしなかった場合の手取りを計算します。式は次のとおりです。

手取り = 配当 ×(1 − 現地の税率)×(1 − 20.315%)

オランダは、100から15%が引かれて85、そこから日本の税を引いて約67.7が残ります。スウェーデンは、100から30%が引かれて70、そこから日本の税を引いて約55.8です。同じ配当でも、手取りに約12の差がつきます。

サクソバンク証券で取引できる欧州9取引所の国で並べると、次のようになります。オランダとスウェーデン以外の7か国の税率は、配当税を国別に比較した記事で2026年9月11日に確認した数字です。

国現地の配当税(原則)配当100の手取り(控除・還付なし)
イギリス通常の配当に源泉徴収なし約79.7
フランス12.8%約69.5
オランダ15%約67.7
スペイン19%約64.5
イタリア26%約59.0
ドイツ26.375%約58.7
デンマーク27%約58.2
スウェーデン30%約55.8
スイス35%約51.8
日本の税率20.315%で計算。実際の徴収率は、証券会社が条約の税率を源泉徴収の時点で適用するかどうかで変わります

オランダはイギリス・フランスに次ぐ3番目の軽さで、スウェーデンは下から2番目です。配当の手取りを重く見るなら、この2か国の差は無視できない大きさだと思います。

取扱いと手数料を、口座の画面で確かめられます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。

オランダの超過分を取り戻す手続き

オランダの税務当局は、条約を結んでいる国の居住者が配当税の一部免除や還付を求めるための様式として、「IB 92 Universeel」を案内しています(米国とアルバの居住者は別の様式)。

請求の期限について、税務当局のページには次のように書かれています。

  • 配当が支払われた年の翌年から5年以内に請求できる
  • ただし、請求の根拠がオランダの国内法か租税条約かによって、期限が3年になる場合もある
  • 3年の期限が適用される場合でも、5年以内に出されていれば審査は行われる。ただしその場合は職権での判断となり、結果に不服を申し立てることはできない

実務上は「3年以内に出すのが確実で、5年までは審査の余地がある」と理解しておくのが安全だと思います。日本居住者の場合にどちらの期限になるか、また様式にどの書類を添えるかは、当サイトでは確認できていません。請求する場合は、様式の説明書きを必ず確認してください。

金額の目安も出しておきます。オランダ株の配当が年10万円なら、条約を超える分は5,000円です。書類をそろえてオランダ語または英語の様式で請求する手間を考えると、この金額のために動く個人投資家は多くないと思います。

なお、アムステルダムに上場していても、会社そのものがオランダ以外の国の会社である場合は、ここで説明したオランダの15%とは別の国の税金が基準になります。代表的な指数AEXの30社のうち8社がこれにあたることは、AEXの30社を国別に確認した記事にまとめました。

スウェーデンは「支払時に下げる」方法と「あとから戻す」方法がある

スウェーデン税務庁の案内は、オランダより具体的です。条約を結んでいる国の居住者には、2つの方法が用意されています。

方法1:支払時に条約の率で引いてもらう

居住国の当局などが発行する居住者証明(hemvistintyg)があれば、配当の支払時に、最初から正しい率で差し引く扱いがあります。スウェーデン語でdirektnedsättning(直接の軽減)と呼ばれる方法です。ただし、これは配当を受け取る口座を管理する金融機関を通じた手続きです。サクソバンク証券がこの扱いに対応しているかは、当サイトでは確認できていません。サクソバンク証券のヘルプで、源泉徴収時の軽減税率の適用が明記されているのは米国株だけでした。

方法2:あとから還付を請求する

30%で引かれてしまった場合は、税務庁に還付を請求します。税務庁のページで確認できた内容は次のとおりです。

様式SKV 3740(スイス居住者だけは SKV 3742)
期限配当を受け取った年の翌年から5年目の年末まで
添付するもの配当の受け取りと差し引かれた税額がわかる金融機関の書類、居住者証明、代理人に頼む場合は委任状
出す時期配当の支払いから少なくとも4か月おくよう案内されている(会社側の報告を待つため)
処理にかかる期間通常1〜2年
スウェーデン税務庁「För dig som betalar svensk kupongskatt på dina utdelningar」を2026年9月13日に当サイトが確認

スウェーデン株の配当が年10万円なら、条約を超える分は20,000円です。オランダの4倍なので、手続きを検討する価値はオランダより高いと言えます。一方で、処理に1〜2年かかる点と、居住者証明を日本の税務署から取り寄せる手間は重く、配当額が小さいうちは見合わない方が多いのではないかと思います。

ストックホルムに上場していても、ABB(スイス)やアストラゼネカ(イギリス)、ノルデア(フィンランド)のようにスウェーデン以外の会社の配当には、それぞれの国の税金が基準になります。代表的な指数の顔ぶれはOMXS30の30社を調べた記事にまとめました。

買うときの税金の記載はない

配当とは別に、フランス・イタリア・スペイン・イギリスには株を買うときにかかる税金があります。サクソバンク証券の取引概要「課税について(市場別)」を確認したところ、オランダとスウェーデンについては、この種の買付税の記載はありませんでした。詳しくは欧州株の買付にかかる税金の記事をご覧ください。

取引手数料は、どちらの取引所も0.132%で、最低手数料はアムステルダムが5.50ユーロ、ストックホルムが66スウェーデンクローナです(サクソバンク証券の手数料表、2026年8月19日版)。ドイツやフランスの0.088%より高い区分です。

この2か国の株をどう考えるか

ここからは筆者の考えです。配当を目的に欧州株を選ぶなら、オランダは税の面で不利になりにくい国だと思います。原則15%はフランスの12.8%に近く、ドイツやスイスよりはっきり軽いからです。

スウェーデンは逆で、配当の手取りを重く見るなら、スイス株と同じくらい慎重に見たほうがよい国だと思います。表面の利回りが同じでも、手取りはオランダ株より2割近く少なくなります。一方で、配当よりも事業の成長を主に見て持つ銘柄であれば、配当税の重さが結果に与える影響は相対的に小さくなります。自分がその株に何を期待しているかで、この30%の重みは変わってくると思います。

筆者自身はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。個別株を国ごとに見るときは、利回りの数字より先に「その国で何%引かれるか」を確認するようにしています。

まとめ

  • 配当にかかる現地の税金はオランダ15%、スウェーデン30%。スウェーデンは欧州9か国でスイスに次いで重い
  • 日本との条約の限度税率はどちらも10%。超過分はオランダ5%、スウェーデン20%で、日本の確定申告では戻らない
  • 配当100の手取り(控除・還付なし)は、オランダ約67.7、スウェーデン約55.8
  • 取り戻すには現地へ請求する。オランダは原則5年以内(3年の場合あり)、スウェーデンはSKV 3740で5年目の年末まで、処理に1〜2年
  • サクソバンク証券が源泉徴収の時点で条約の率を適用するかは、当サイトでは確認できていない

持つ国が決まったら、口座開設の流れを先に見ておけます。

開設までの日数は解説記事にあります。

この記事の検証方法

  • オランダの配当税率(15%)は、オランダ税務当局の公式ページで2026年9月13日に当サイトが確認しました
  • オランダの還付請求の期限と様式(IB 92 Universeel)は、同当局の国外の受取人向けの案内と様式のページで2026年9月13日に当サイトが確認しました
  • スウェーデンの配当源泉税(30%)、源泉時の軽減、還付の様式・期限・添付書類・処理期間は、スウェーデン税務庁の公式ページで2026年9月13日に当サイトが確認しました
  • 日本との租税条約の限度税率と署名・発効日は、財務省のオランダとの新租税条約のポイント、スウェーデンとの改正議定書のポイント、租税条約等の一覧で確認しました
  • 他の7か国の税率は、配当税を国別に比較した記事で2026年9月11日に確認した数字です
  • 手数料は、サクソバンク証券の公式手数料表(クラシック口座・2026年8月19日版)を使用しています
  • 日本居住者がオランダで3年と5年のどちらの期限になるか、サクソバンク証券が源泉時に条約の税率を適用するか、スウェーデンの源泉時の軽減に対応しているかは、当サイトでは確認できていません
  • 本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。個別の申告・還付請求は、税理士や税務署、現地の税務当局にご確認ください
  • 記載の税率・期限は2026年9月13日時点のものです。制度は変わるため、手続きの前に必ず最新情報をご確認ください
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。記載の税率・限度税率・期限・手続きは2026年9月13日に当サイトが一次資料で確認した内容にもとづいており、制度の変更により内容が変わる場合があります。手取りの計算は概算であり、実際の課税関係は口座の種類・証券会社の手続き・個々の状況により異なります。個別の申告・還付請求については、税理士や税務署、現地の税務当局に必ずご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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