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この記事の結論
- ミュンヘン再保険株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はフランクフルトのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約9万3,700円)
- 株価が高いため1株からでも手数料負担率は約0.65%と軽い
- 最大の注意点:サクソバンク証券ではNISA不可(野村證券オンラインはNISA成長投資枠の表示あり)+ドイツの配当源泉税26.375%(表面利回り4.71%は実質約2.76%まで低下)
世界最大級の再保険会社ミュンヘン再保険(Münchener Rückversicherungs-Gesellschaft AG/ティッカー:MUV2)。再保険とは、保険会社がさらにリスクを分散させるために加入する「保険会社のための保険」です。2026年上期(1〜6月)の純利益は39億2,500万ユーロと前年同期比+23.5%で過去最高を更新しました。自然災害による損失が会社の想定を大きく下回る「平穏な年」が追い風になっています。
この記事では株価・業績・買い方を、保険+資産運用の総合グループであるアリアンツとの事業構成の違いとあわせて解説します。
ミュンヘン再保険株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 509.70ユーロ(1株 約9万3,700円) |
| 52週レンジ | 436.95 〜 575.70ユーロ |
| 時価総額 | 約666億ユーロ |
| PER | 約9.96倍(2026年12月期予想) |
| 配当利回り | 約4.71%(税引き後は約2.76%) |
| 上場市場 | フランクフルト証券取引所(Xetra) |
2026年上期、純利益39億ユーロで過去最高更新
ミュンヘン再保険の2026年上期(1〜6月)純利益は39億2,500万ユーロ(前年同期比+23.5%)と過去最高を記録しました。第2四半期(4〜6月)単独でも22億1,100万ユーロ(同+6.0%)。会社は通期の純利益目標「63億ユーロ」を据え置いており、上期だけで目標の62%超に到達する順調な進捗です。
好調の主因は自然災害による損失の少なさです。第2四半期の大災害損失(自然災害+人為災害)は合計1億9,100万ユーロ(うち自然災害分は5,400万ユーロ、前年同期の2,000万ユーロから増加)で、保険料収入に対する比率は4.9%にとどまりました。会社が想定する年間平均値18%を大きく下回る水準です。主力の損害保険再保険部門のコンバインドレシオは68.9%(前年同期は61%)と、前年より悪化したとはいえ100%を十分に下回る健全な引受採算を維持しています。
生命・医療保険再保険部門も第2四半期の純利益4億8,900万ユーロ(前年同期比+42.2%)と大きく伸びました。個人向け保険を扱う一次保険部門(ERGO)も第2四半期3億2,100万ユーロ(同+27.9%)、上期累計では5億5,600万ユーロと、再保険以外の部門も業績を下支えしています。一方で保険料収入の通期見通しはやや下方修正され、再保険部門の見通しは400億ユーロから380億ユーロへ、グループ全体では640億ユーロから620億ユーロへ引き下げられました。再保険市場の価格競争が緩やかに進んでいることが背景です。
株主還元にも積極的です。2026年4月の株主総会で、2025年度配当は前年の20.00ユーロから24.00ユーロへ20%増配することが決議されました。あわせて最大22億5,000万ユーロの自社株買いプログラム(2027年4月まで)を実施中で、うち第1弾の9億ユーロ分は2026年8月までの期間ですでに85万株超を消却済みです。
結論:ミュンヘン再保険株の買い方は実質3つ(サクソバンクの現物・CFD・野村證券)
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約9万3,700円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
| ③野村證券(オンライン)で現物を買う | ○ 取扱い銘柄にあり(コードG0451。注文画面は当サイトでは確認できていません) | 1株から(手数料は当サイトでは試算していません) | NISA成長投資枠で持ちたい人(NISA成長投資枠の表示あり、2026年10月12日確認) |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
ミュンヘン再保険が上場しているのはフランクフルト証券取引所(Xetra)で、ティッカーは「MUV2」です。米国預託証券(ADR)はOTC銘柄で、楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。この構造はなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで解説した掲載銘柄すべてに共通する理由です。なお、野村證券(オンライン)では、ミュンヘン再保険のドイツの原株(コードG0451)が取扱い銘柄に入っていて、NISA成長投資枠の表示もあります(2026年10月12日確認。注文画面は当サイトでは確認できていません)。
保険業界に限れば、アリアンツやチューリッヒ保険もSBI証券・楽天証券・マネックス証券では買えません。再保険会社の同業にはスイス再保険があります。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月13日終値時点の株価は509.70ユーロ。ユーロ円レート(約183.8円)で換算すると1株あたり約9万3,700円です。52週高値575.70ユーロからは約11%下、52週安値436.95ユーロからは約17%上という水準にあります。
Xetra上場銘柄のSaxo手数料は0.088%(最低3.30ユーロ)。1株買いでは手数料が最低額の3.30ユーロ(約610円)に張り付くため、負担率は約0.65%と、株価が高いぶんかなり軽く済みます。
ミュンヘン再保険は1株の値段が高く、1株だけ買っても手数料の負担率は約0.65%で済みます。実際の手数料と取扱いを、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。配当には現地で源泉税がかかり、手取りは表面の利回りより下がります(本文参照)。
配当利回り4.71%は税引き後にいくら残るのか
ミュンヘン再保険は2025年度の配当として1株あたり24.00ユーロ(前年の20.00ユーロから増配)を2026年5月に支払っており、現在の株価に対する利回りは約4.71%です。ドイツの配当源泉税は26.375%。配当を100とすると、ドイツで源泉徴収後73.6、日本でさらに20.315%課税されて手取りは約58.7。
表面利回り4.71%は、実質では約2.76%まで下がります。日独租税条約の限度税率15%を超える約11.375%分は、日本の外国税額控除の対象にならず、取り戻すにはドイツ税務当局への直接請求が必要です。他の欧州株との比較は欧州株の配当税を国別に比較にまとめています。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。PER約9.96倍は、同サイトで扱ったロシュ(約24.0倍)やアリアンツ(約14.4倍)と比べても低い水準ですが、これは再保険会社特有の業績変動リスクを市場が織り込んでいるためです。2026年は自然災害による損失が想定の4分の1程度と「平穏な年」でしたが、大型ハリケーンや大地震が発生した年は一転して純利益が大きく落ち込むことがあります。ユーロ建てなので為替の影響も受けます。同じ再保険会社のスイス再保険とあわせて業種特有の値動きパターンを確認しておくと理解が深まります。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日終値時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
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株価だけでなく、売上や利益、配当の推移も図で確かめたいときは、Simply Wall St という海外の分析サイトが使えます。欧州の上場企業も扱っていて、会社名で検索すると、その会社の財務の推移を一覧で見られます。サイトの画面は日本語にも対応しています。
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よくある質問
ミュンヘン再保険とアリアンツ・スイス再保険はどう違いますか?
3社ともドイツ語圏の保険大手ですが、事業構成が異なります。アリアンツは損害・生命保険に加えPIMCOを傘下に持つ資産運用部門を併せ持つ総合保険グループです。一方、ミュンヘン再保険とスイス再保険は保険会社向けの再保険が主軸で、個人向け保険商品を直接販売しません。2026年上期のミュンヘン再保険は自然災害損失が想定を下回ったことで純利益が前年同期比+23.5%と大きく伸びており、「災害が少ない年は利益が跳ねやすい」再保険会社ならではの構造が表れた形です。
2026年は自然災害が少ない年とのことですが、今後も続きますか?
2026年第2四半期の大災害損失(自然災害+人為災害)は保険料収入に対して4.9%と、会社が想定する年間平均値18%を大きく下回りました。ただしこれは四半期ごとに大きく変動する数値で、ハリケーンシーズンや大地震の発生状況によって一変する可能性があります。再保険会社の業績を見る際は、単四半期の好調・不調だけでなく複数年の平均で評価する視点が必要です。
PERが10倍前後と低く見えるのはなぜですか?
2026年8月13日時点のPERは約9.96倍(2026年12月期予想)。再保険会社は大規模自然災害が発生した年に利益が急減するリスクがあり、市場はこの業績変動リスクを織り込んで保険株全般を低いPERで評価する傾向があります。ミュンヘン再保険は2026年上期に過去最高益を更新しつつ、配当を24.00ユーロへ増配し、最大22億5,000万ユーロの自社株買いも実施しており、株主還元には積極的です。
まとめ
- ミュンヘン再保険はフランクフルト上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約9万3,700円、手数料負担率は約0.65%と非常に軽い
- 2026年上期の純利益は39億2,500万ユーロで過去最高(前年同期比+23.5%)。自然災害損失は想定の4分の1程度に留まる「平穏な年」
- 配当は24.00ユーロへ20%増配。利回り約4.71%はドイツの源泉税26.375%により実質約2.76%まで低下
- サクソバンク証券ではNISAは使えない(野村證券オンラインはNISA成長投資枠の表示あり)。大災害が発生した年は業績が大きく落ち込むリスクがある
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 1株からでも手数料負担を抑えたい | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | 野村證券(オンライン)にNISA成長投資枠の表示あり(注文画面は当サイトでは確認できていません)。ドイツ以外の欧州株ならIB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、ミュンヘン再保険株なら野村證券(オンライン。NISA成長投資枠の表示あり、注文画面は当サイトでは確認できていません)、ドイツ以外の欧州株ならIB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はミュンヘン再保険社の公表資料に基づきます。税額の計算は概算であり、実際の課税関係は個々の状況により異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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