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この記事の結論
- ドイツ取引所はドイツ株が売買される「市場」そのものを運営する会社
- 魅力の核心:上半期の純収益は前年同期比+11%、通期ガイダンスも上方修正
- 最大のリスク:PERは約24.4倍で52週高値圏、割安な水準ではない
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約5万2,500円から(推奨ロット3株が目安/1株でも負担率約1.17%と軽い)
日本取引所グループ(JPX)の株は、SBI証券でも楽天証券でも普通に買えます。東京証券取引所を運営する会社そのものに、日本の投資家として投資できるからです。
では、ヨーロッパの取引所そのものに投資できるとしたらどうでしょうか。ドイツ取引所(Deutsche Börse/ティッカー:DB1)は、フランクフルト証券取引所(Xetra)やデリバティブ取引所のユーレックス、証券決済のクリアストリームを運営する会社です。BMWやアディダス、ラインメタルなど、当サイトで扱ってきたドイツ株はすべて、この会社が運営する市場で取引されています。株価は52週レンジの上限付近で推移しており、上半期の業績も伸びています。
ドイツ取引所株の基本データ(2026年8月21日時点)
| 株価 | 282.90ユーロ(1株 約5万2,500円) |
| 52週レンジ | 200.10〜283.90ユーロ |
| 時価総額 | 約510億ユーロ |
| PER | 約24.4倍(予想 約21.5倍) |
| 配当利回り | 約1.48%(1株配当 4.2ユーロ) |
| 上場市場 | フランクフルト証券取引所(Xetra) |
| 1年の株価騰落 | +8.9% |
上半期純収益+11%という事実|ドイツ取引所株の魅力
上半期純収益+11%、EBITDA+16%で本業は拡大中
2026年上半期の純収益(トレジャリー収益を除く)は28億4,600万ユーロで前年同期比+11%、EBITDAは15億7,800万ユーロで同+16%でした。取引所ビジネスは市場の値動きが荒れるほど売買高が増え、収益が伸びやすい構造を持っています。
会社発表によると通期ガイダンスを再び上方修正、EBITDA約39億ユーロへ
会社発表によると、2026年通期の純収益は65億ユーロ超(従来64億ユーロ超)、EBITDAは約39億ユーロ(従来38億ユーロ超)(いずれもトレジャリー収益を含む)へと、2026年10月20日の第3四半期決算でガイダンスが再び引き上げられました。上半期に続く2度目の上方修正です。期初の見通しより会社側が強気に転じたことを意味します。
セキュリティ・ファンド両サービス事業が+16%・+14%で成長をけん引
会社側の説明によると、事業別ではセキュリティ・サービス事業(クリアストリームなど)の収益が+16%、ファンド・サービス事業が+14%で伸びています。デジタル資産インフラの需要や、欧州の運用会社がファンド業務を外部委託する動きが成長要因とされています。取引所本体だけでなく、決済・ファンド周辺のインフラでも稼げていることになります。
1年で株価+8.9%、52週高値圏で推移
株価は1年で+8.9%、52週レンジ(200.10〜283.90ユーロ)の上限に近い水準で推移しています。業績の伸びが株価にも反映されてきていることを示す事実です。
PER24.4倍という高値圏|先に知っておきたいリスク
PERは約24.4倍、52週高値圏でのエントリーになる
PERは約24.4倍(予想ベースでも約21.5倍)です。株価も52週レンジの上限付近にあり、割安な水準で買えるタイミングとは言えません。好業績はすでに株価にある程度織り込まれている可能性があります。
配当利回りは約1.48%、欧州株の中では高くない水準
1株配当は4.2ユーロ、利回りに換算すると約1.48%です。高配当を目的に欧州株を選ぶ投資家にとっては、見劣りする水準になります。値上がり益・業績成長を主目的とした銘柄と考えたほうが実態に合います。
配当源泉税26.375%+サクソバンク証券ではNISA非対応で、税引き後は約0.87%まで下がる
ドイツの配当には現地で26.375%が源泉徴収されます。日独租税条約の限度税率15%を超える11.375%分は日本の外国税額控除の対象外で、還付にはドイツ税務当局(BZSt)への直接請求が必要です。サクソバンク証券はNISAにも対応していないため、外国税額控除や現地還付請求をしない場合、表面利回り1.48%は税引き後で約0.87%まで下がります。
米国ADR(DBOEY)はOTC市場のみ、SBI・楽天・マネックスでは買えない
米国預託証券(ADR)のDBOEYは存在しますが、NYSEにもNASDAQにも上場しておらず、OTC(店頭)市場のみでの取引です。楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しており、SBI証券・楽天証券・マネックス証券のいずれでも新規に買うことはできません。
ドイツ取引所はドイツ株の「市場」そのもので稼ぐ会社
ドイツ取引所(Deutsche Börse)は、フランクフルト証券取引所(Xetra)を中心に、デリバティブ取引所のユーレックス(Eurex)、証券決済機関のクリアストリーム(Clearstream)、議決権行使助言のISSを傘下に持つ欧州最大級の金融インフラ企業です。当サイトで扱ってきたBMWやアディダス、ラインメタルといったドイツ株は、実質的にこの会社が運営する市場・決済システムを通じて売買されています。会社側の説明では、日本の機関投資家や証券会社もこの取引所インフラの利用顧客に含まれます。
2026年上半期の純収益(トレジャリー収益除く)は前年同期比+11%の28億4,600万ユーロ、EBITDAは同+16%の15億7,800万ユーロでした。会社発表によると、通期ガイダンスも純収益65億ユーロ超・EBITDA約39億ユーロへ再び上方修正されています(2026年10月20日発表)。事業別では、セキュリティ・サービス事業が+16%、ファンド・サービス事業が+14%と、いずれも二桁の伸びを見せました。
1株配当4.2ユーロと、ドイツの源泉税26.375%
配当利回りは約1.48%(1株配当4.2ユーロ)です。ドイツ株の配当には現地で26.375%の源泉税がかかります。日独租税条約の限度税率は15%で、これを超える11.375%分は日本の外国税額控除の対象になりません。還付を受けるにはドイツ税務当局(BZSt)へ直接請求する必要があり、2023年以降は電子提出が必須、請求期限は暦年末から4年以内です。
日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、表面利回り1.48%の税引き後の目安は約0.87%です。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月21日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
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日本から買う方法と、1株あたりの手数料
| 証券会社 | 買えるか | 理由 |
|---|---|---|
| SBI証券 | × 買えない | フランクフルト証券取引所に上場する原株を取り扱っていない |
| 楽天証券 | × 買えない | 米国ADR(DBOEY)はOTC市場のみ。「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 買えない | フランクフルト証券取引所に上場する原株を取り扱っていない |
| サクソバンク証券 | ◯ 買える | フランクフルト証券取引所に現物で直接アクセスできる |
| 野村證券(オンライン) | ◯ 取扱い銘柄にあり | ドイツの原株(コードG0126)。NISA成長投資枠の表示あり(2026年10月12日確認)。注文画面は当サイトでは確認できていません |
ドイツ取引所が上場しているのはフランクフルト証券取引所(Xetra)のみで、ティッカーは「DB1」です。米国預託証券(ADR)の「DBOEY」も存在しますが、NYSEやNASDAQではなくOTC(店頭)市場での取引にとどまります。SBI証券・楽天証券・マネックス証券のいずれでも新規に買うことはできません。SBI証券・楽天証券・マネックス証券で買えない欧州株全般の背景については、なぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかでまとめています。
サクソバンク証券で買うまでの流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「DB1」で検索し、株数を指定して発注
1株買いでも手数料負担率は約1.17%と軽い
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約5万2,500円 | 613円 | 約1.17% |
| 3株 | 約15万7,600円 | 613円 | 約0.39% |
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.088%、最低3.3ユーロ(約613円)です。株価自体が高めなので、1株買いでも負担率は約1.17%と軽く、まとめ買いするなら3株単位が目安です。
ドイツ取引所を1株だけ買うと、手数料の負担率は約1.17%になります。最低手数料が効くため、まとめて買うほど負担率は下がります。実際の手数料を、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。配当には現地で源泉税がかかり、手取りは表面の利回りより下がります(本文参照)。
ドイツ取引所株が向く人・向かない人
| 特徴 | |
|---|---|
| 向く人 | 欧州の金融インフラ・取引所ビジネスに投資妙味を感じる人 |
| SBI証券・楽天証券・マネックス証券では買えない銘柄への分散を進めたい人 | |
| 配当より事業の成長・安定性を評価する人 | |
| 向かない人 | 配当利回りを重視する人(1.48%は欧州株の中では低め) |
| NISA口座で非課税運用をしたい人(サクソバンク証券はNISA非対応。ドイツ取引所株は野村證券(オンライン)でNISA成長投資枠の表示あり・注文画面は未確認。ドイツ以外の欧州株ならIB証券という選択肢もある) | |
| 割安な水準での新規エントリーを狙いたい人(PER24倍台・52週高値圏) |
口座開設から最初の1株までの流れは、公式サイトで確かめられます。
開設までの日数は当サイトの解説記事にあります。
ドイツ取引所株のよくある質問
ドイツ取引所株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
いいえ、買えません。米国ADR(DBOEY)はOTC(店頭)市場のみでの取引で、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。フランクフルト証券取引所に上場する原株(ティッカー:DB1)にアクセスできる、サクソバンク証券などの証券会社を利用する必要があります。
最低いくらから買えますか?
1株約5万2,500円(2026年8月21日時点、282.90ユーロ×185.66円)から購入できます。手数料負担率を抑えるなら、3株単位(約15万7,600円)が目安です。
配当にかかる税金はどのくらいですか?
ドイツの現地源泉税26.375%に加え、日本側でも20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、表面利回り1.48%の税引き後の目安は約0.87%です。
NISA口座で保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していないため、この方法で非課税にはなりません。特定口座または一般口座での取引となります。野村證券(オンライン)では、ドイツ取引所のドイツの原株(コードG0126)にNISA成長投資枠の表示があります(2026年10月12日確認。注文画面は当サイトでは確認できていません)。
米国ADR(DBOEY)を買うのと、フランクフルト市場の株を買うのとでは何が違いますか?
DBOEYはNYSEやNASDAQではなくOTC(店頭)市場のみでの取引となり、SBI証券・楽天証券・マネックス証券では新規買付ができません。フランクフルト証券取引所に上場する原株(ティッカー:DB1)を、サクソバンク証券などを通じて直接購入するのが現実的な方法です。
まとめ:個別銘柄ではなく、市場そのものを買うということ
- メリット:上半期純収益+11%・EBITDA+16%で本業拡大中。会社発表によると通期ガイダンスも再び上方修正(2026年10月20日)。1年で株価+8.9%と52週高値圏
- デメリット:PERは約24.4倍で割安ではない。配当利回りは約1.48%と欧州株の中では低め。源泉税26.375%+サクソバンク証券ではNISA非対応で税引き後は約0.87%
- 買い方:米国ADR(DBOEY)はOTC市場のみでSBI・楽天・マネックスでは買えない。サクソバンク証券なら1株約5万2,500円、3株単位が目安
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、ドイツ取引所株なら野村證券(オンライン。NISA成長投資枠の表示あり、注文画面は当サイトでは確認できていません)、ドイツ以外の欧州株ならIB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月21日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はドイツ取引所(Deutsche Börse)の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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