MENU

欧州の高配当ETFを比較|FDD(米国上場)と欧州UCITSの違い【2026年】

欧州の高配当ETFを比較|FDD(米国上場)と欧州UCITSの違い【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 欧州の高配当ETFは、米国上場のFDD(STOXX欧州セレクト配当指数ファンド)と、欧州現地上場のUCITS ETF(例:iシェアーズ ユーロ好配当株式)の2系統に分かれます
  • FDDは経費率0.56%・過去12か月分配金利回り4.91%、iシェアーズのユーロ好配当は0.40%・4.39%です。ただし対象は欧州18か国とユーロ圏で異なり、単純には比べられません
  • FDDは楽天証券・SBI証券が2024年に取扱いを開始しています。欧州現地上場のUCITSは、BlackRockのページに「日本での募集の届出がされていない海外ファンド」との注記があり、日本の証券会社での取扱いは当サイトでは確認できていません
  • FDDの組入は金融が57.27%(2026年9月29日時点)。長期の成績は、直近10年では広い欧州指数を上回る一方、2007年の設定来では下回っています

欧州の高配当株は気になるけれど、30社も40社も自分で選ぶのは大変です。ETFなら1本で持てるのか、日本から買えるのか。ファンドの公式ページの数字と、証券会社の公式なお知らせで整理しました。

当サイトは、特定のETFの購入を勧めるものではありません。紹介する2本は指数の対象も上場市場も通貨も違うため、優劣ではなく、違いを知るための記事です。

目次

欧州の高配当ETFは、大きく2系統あります

  • 米国上場:日本の「海外ETF」として扱われるタイプ。欧州18か国に投資するFDDを取り上げます
  • 欧州現地上場のUCITS ETF:欧州の取引所に上場するタイプ。iシェアーズのユーロ好配当株式を例に見ます

UCITS(ユーシッツ)は、EUで投資信託を販売するための共通ルールに沿って作られたファンドの呼び名です。欧州の現地上場ETFの多くがこの形をとっています。

米国上場:FDD(STOXX Europe Select Dividend 30に連動)

FDDは、米国のファースト・トラスト社が運用するETFです。ファンド公式の日本語ページで確認できた主なデータは次のとおりです。

項目内容
正式名称ファーストトラスト STOXX欧州セレクト配当指数ファンド(FDD)
上場・設定NYSE Arca(米国)/2007年8月27日
連動する指数STOXX Europe Select Dividend 30(欧州18か国のSTOXX Europe 600から30銘柄、配当利回りに基づく加重、1銘柄上限15%)
総経費率0.56%(2026年2月2日時点。契約上、少なくとも2027年1月31日まで年0.60%が上限)
過去12か月分配金利回り4.91%(2026年8月31日時点)。指数の利回りは5.73%
純資産総額約9.04億米ドル(2026年9月29日時点)
ファースト・トラスト公式の日本語ページ(ftportfolios.jp/etfs/fdd)より。日付は表内のとおり。当サイトが2026年9月30日に確認

指数の選び方は、公式ページに次のとおり書かれています。STOXX Europe 600に入っている配当支払企業のうち、過去5年間の1株当たり配当が増えており、配当性向(利益に対する配当の割合)が60%以下の企業を対象に、配当利回りの高い順に30銘柄を選びます。

中身は、国と業種で偏りがあります(2026年9月29日時点、ファンド公式)。

国別(上位)比率セクター別(上位)比率
イギリス25.16%金融57.27%
フランス23.91%一般消費財17.19%
オランダ22.24%資本財9.06%
ドイツ9.84%エネルギー7.15%
ノルウェー4.32%公益事業2.67%
南アフリカ3.77%不動産2.59%
ファースト・トラスト公式ページの「国別/セクター別エクスポージャー上位」より。2026年9月29日時点。国別の7位以下はベルギー2.97%、イタリア2.88%、ポーランド2.82%、スイス2.09%

金融が全体の半分を超えます。電力・通信のような安定した業種のイメージとは違い、中身は金融(銀行・保険)が中心です。また、「欧州」のETFなのに、国別の上位に南アフリカが入っています。理由はファンド公式ページに書かれておらず、当サイトでは確認できていません。

欧州現地上場:iシェアーズ ユーロ好配当株式 UCITS ETF

ブラックロックが運用する、ロンドン証券取引所に上場するETFです。ブラックロック・ジャパンの日本語ページで確認できた主なデータは次のとおりです。

項目内容
正式名称iシェアーズ ユーロ好配当株式 UCITS ETF(ユーロクラス)
上場・設定ロンドン証券取引所/2005年10月28日。ファンド籍はアイルランド
連動する指数STOXX Eurozone Select Dividend 30(ユーロ圏の30銘柄)
経費率0.40%
過去12か月分配金利回り4.39%(4.3871%、2026年9月29日時点)
純資産総額約16.6億ユーロ(2026年9月29日時点)
ブラックロック・ジャパンの日本語ページより。日付は表内のとおり。当サイトが2026年9月30日に確認

こちらは、欧州全体ではなくユーロ圏の企業が対象です。イギリス・スイス・北欧の一部など、ユーロを使わない国の企業は、この指数には含まれません。

分配金は年4回支払われますが、金額は四半期ごとにかなり違います。公式ページに載っている直近の4回(権利落ち日)は、次のとおりです。

権利落ち日1口あたり分配金
2025年12月11日0.0546ユーロ
2026年3月19日0.0580ユーロ
2026年6月18日0.7060ユーロ
2026年9月17日0.3323ユーロ
ブラックロック・ジャパンの日本語ページの分配金履歴より。4回の合計は1.1509ユーロ

4回の合計1.1509ユーロを基準価額26.23ユーロで割ると約4.39%で、表示されている過去12か月分配金利回りと一致します。ただし6月は0.7060ユーロと大きく、12月・3月は0.05ユーロ台と小さいため、利回りが4%台でも、受け取る時期と金額は均一ではありません。

同ページの保有銘柄(2025年12月31日時点)の上位は、ABN AMRO銀行5.75%、OMV(エネルギー)5.60%でした。

2本を並べると

項目FDD(米国上場)iシェアーズ ユーロ好配当(ロンドン上場)
上場市場NYSE Arca(米国)ロンドン証券取引所
対象地域欧州18か国(英・仏・蘭・独・ノルウェーなど)ユーロ圏
経費率0.56%0.40%
過去12か月分配金利回り4.91%(8月31日)4.39%(9月29日)
通貨米ドル建てユーロ建て
各公式ページより。FDDの経費率は2026年2月2日時点、利回りは2026年8月31日時点。UCITSは2026年9月29日時点

この2本の数字は、単純には比べられません。指数の対象地域も選定基準も違い、経費率は後者が低いものの、上場市場・通貨・購入できる証券会社の違いのほうが、実際には大きな差になります。

日本の証券会社で買えるのか

公式の情報から確認できたことは、次のとおりです。

  • FDD:楽天証券は、2024年11月28日(現地約定分)からFDDの取扱いを開始したとお知らせしています(NISA成長投資枠の対象と表示)。SBI証券も、2024年12月4日からFDDの取扱いを開始したとお知らせしています。ただし、どちらも取扱い開始時点のお知らせで、現在の取扱い状況やNISAの対象かどうかは、各社の銘柄検索でご確認ください
  • iシェアーズ ユーロ好配当:ブラックロックの日本語ページには、「本邦での募集の取扱等に係る金融庁への届出等がされていない海外ファンド等について投資の勧誘等を目的とするものではありません」という注記があります。日本の証券会社で取扱いがあるかどうかは、当サイトでは確認できていません。口座開設前に、取扱い銘柄に含まれるかを確かめるのが確実です

欧州の現地上場ETFや、個別の高配当株は、口座を開く前に取扱いを確かめられます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。ETFの取扱い銘柄は、口座画面でご確認ください。NISAは対象外です。

「高配当」の指数は、期間によって成績が大きく変わる

FDDのファンド公式ページには、ファンドと指数の成績が、広い欧州指数と並べて載っています(2026年8月31日時点、基準価額ベースの年率。1年は累計)。

期間FDD(基準価額)STOXX Europe Select Dividend 30(指数)STOXX Europe 600MSCI Europe
1年+35.53%+35.71%+20.35%+20.34%
3年(年率)+29.44%+29.31%+17.99%+17.76%
5年(年率)+13.30%+13.26%+9.15%+9.43%
10年(年率)+11.11%+11.35%+9.83%+9.77%
設定来(年率)+2.96%+3.29%+4.99%+4.80%
ファースト・トラスト公式ページより。2026年8月31日時点。3年以上は年率。ファンド設定は2007年8月27日

直近1年から10年までは、高配当の指数が広い欧州指数を上回っています。ところが、2007年の設定来では、年率2.96%と、STOXX Europe 600の4.99%、MSCI Europeの4.80%を下回っています。起点(2007年8月)の時期で見え方が変わります。なぜ長期で下回っているのかは、ファンド公式ページには書かれておらず、当サイトでは確認できていません。

見る期間で「高配当が有利」にも「不利」にも見えます。過去の成績は、将来を示すものではありません。

高配当ETFを見るときに確認したい2点

  • 中身の偏り:FDDは金融が57.27%。業種の偏りが大きいと、その業種の業績や規制の影響を受けやすくなります
  • 指数の選び方:「高配当」の定義はファンドごとに違います。FDDは配当の増加と配当性向60%以下が条件で、単に利回りが高い順ではありません

個別株で高配当を狙う場合の利回りと源泉税の関係は、欧州の高配当株ランキングと高配当株だけで組むのは正しいのかで整理しています。ETFの分配金にかかる現地の源泉税が、ファンドの中でどう扱われるかは、当サイトでは確認できていません。

当サイトで確認できていないこと

  • 楽天証券・SBI証券で、FDDを現在も取扱っているか、NISA成長投資枠の対象かどうか(2024年の取扱い開始時点のお知らせは確認済み)
  • iシェアーズ ユーロ好配当を含む欧州の現地上場UCITS ETFを、日本の証券会社で個人が購入できるか
  • FDDが南アフリカの企業を含む理由、長期の成績が広い欧州指数を下回っている理由
  • ETFの分配金にかかる、現地の源泉税の扱いと、日本での課税
  • 欧州全体を対象にした高配当の現地上場ETF(ユーロ圏以外を含むもの)の詳しい内容

まとめ

  • 欧州の高配当ETFは、米国上場のFDDと、欧州現地上場のUCITS ETFに分かれる。対象が欧州18か国とユーロ圏で違い、単純には比べられない
  • FDDは楽天証券・SBI証券が2024年に取扱いを開始。欧州現地上場のUCITSは、日本での募集の届出がない海外ファンドとの注記があり、取扱いは未確認
  • FDDは金融が57.27%。直近10年は広い欧州指数を上回るが、2007年の設定来では下回り、期間で見え方が大きく変わる。分配金は四半期ごとにばらつく

ここからは筆者の考えです。筆者はポルトガル在住で、IBKRの口座から欧州株ETFを中心に保有しています。「高配当ならリターンも高いはず」という思い込みは、ファンド公式の成績表を見ると成り立たないと分かり、意外でした。配当の多さと長期の成績は、別々に見たほうがよいと思います。

個別株を選ぶ場合の口座の種類や開設までの流れは、先に見ておけます。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

この記事の検証方法

  • FDDの数字と指数の選定基準は、ファースト・トラスト公式の日本語ページ(ftportfolios.jp/etfs/fdd)で、2026年9月30日に確認しました(数字の日付は表の注記のとおり)
  • iシェアーズ ユーロ好配当の数字と注記は、ブラックロック・ジャパンの日本語ページ(blackrock.com/jp/individual)で、2026年9月30日に確認しました
  • FDDの日本での取扱いは、楽天証券(2024年11月27日付)とSBI証券(2024年12月4日付)の、ファースト・トラスト社のETFの取扱い開始のお知らせで確認しました
  • 記載の内容は2026年9月30日時点のものです。経費率・分配金・取扱い状況は変更されることがあります
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

あわせて読みたい

免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定のETFの売買を推奨するものではありません。当サイトは本記事で扱うETFの販売・勧誘は行っていません。記載の内容は2026年9月30日に当サイトが確認した情報にもとづいており、変更される場合があります。過去の実績は将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

コメント

コメントする

目次