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この記事の結論
- CFD(差金決済取引)は、株を持たずに値動きの差額だけをやり取りする取引です。欧州株では、Plus500証券が公式サイトでアディダスやBMW、LVMHなどを取り扱い例に挙げています
- 現物と違い、株主にはなれません。配当の代わりに「権利調整額」が受け払いされ、持っている間は「金利調整額」が加算・減算されます
- レバレッジがかかるため、預けたお金を超える損失(元本超過損)が出る可能性があります
- 税金は株式とは別の「先物取引に係る雑所得等」で、株式の損益とは相殺できません。NISAも使えません
当サイトでは、欧州株を株そのものとして買う(現物)方法として、サクソバンク証券をご案内してきました。一方で、欧州株の値動きに投資する方法はもう1つあります。CFDです。
CFDは現物と似ているようで、仕組みも、かかるコストも、税金の区分も違います。この記事では、Plus500証券の公式サイトと国税庁の資料をもとに、現物との違いを整理します。どちらが良いかではなく、目的に合うのはどちらかを判断する材料としてお読みください。
CFDとは:株を持たずに、値動きの差額だけをやり取りする
CFDはContract for Differenceの略で、日本語では差金決済取引と呼ばれます。株を実際に受け渡すのではなく、買ったときと売ったときの価格の差額だけを、証券会社との間で受け払いする取引です。
Plus500証券の公式サイトでは、同社のCFDの特徴として次の点が挙げられています。
- レバレッジを使い、約5,000円から取引できる
- 相場が下がると考えたときに、売りから取引を始められる
- 米国株・欧州株・日本株、各国の株価指数、商品など約2,000銘柄を扱う
- 欧州株の例として、アディダス、ドイツ銀行、BMW、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、LVMHの名前が挙がっている
同じページには、元本や収益は保証されず、預けた証拠金を超える損失が出る可能性があることも明記されています。レバレッジは利益も損失も大きくする仕組みなので、少ない資金で始められることと、損失が大きくなりうることは表裏の関係です。
現物とCFDの違いを一覧にする
| 項目 | 現物(例:サクソバンク証券) | CFD(例:Plus500証券) |
|---|---|---|
| 株主になるか | なる(議決権・配当を受け取る権利がある) | ならない |
| 配当 | 配当を受け取る(現地の税金が引かれる) | 「権利調整額」として受け払いされる |
| 必要な資金 | 株価×株数+手数料 | 証拠金(銘柄ごとに証拠金率が決まる) |
| 売買のコスト | 取引手数料(最低手数料あり)+両替コスト | 取引手数料は原則無料。売値と買値の差(スプレッド)がコスト |
| 持っている間のコスト | なし | 金利調整額が加算・減算される |
| 損失の上限 | 投資した金額まで | 預けた証拠金を超えることがある |
| 売りから入る | できない | できる |
| 税金の区分 | 上場株式等の譲渡所得・配当所得 | 先物取引に係る雑所得等 |
| NISA | サクソバンク証券は非対応 | 対象外 |
いちばん大きな違いは、持っている間にコストがかかるかどうかと、損失が投資額で止まるかどうかの2点だと思います。
持っている間にかかる「金利調整額」
Plus500証券の手数料のページによると、金利調整額は一定の期間ポジションを保有する際に、取引口座へ自動的に加算・減算されるものです。各国の政策金利や市場の状況によって、受け取りだった金利調整額が支払いに変わる場合があるとも書かれています。
このほかに、配当などに伴う「権利調整額」、「価格調整額」が発生する場合があるとされています。約定価格を保証する「ノンスリップ注文」を使う場合は、手数料がかかります。
現物は、買ったあと持ち続けても追加のコストはかかりません。CFDは、持つ期間が長くなるほど金利調整額の影響が積み上がる仕組みです。銘柄ごとの具体的な率は取引画面で確認するとされており、当サイトでは確認できていません。
元本を超える損失と自動ロスカット
Plus500証券の公式サイトには、次のような説明があります。
- 評価損が膨らんで、有効証拠金が維持証拠金を下回った瞬間に、ポジションの一部または全部が自動的に決済される(自動ロスカット)
- 自動ロスカットは損失の範囲を限定することを保証するものではない
- 相場の急変時や取引の再開時に価格が大きく離れた場合などは、不利な価格で決済され、元本を超える損失が出る可能性がある
参考として、Plus500グループの欧州向けサイト(ポルトガル語版)には、「個人のCFD口座の80%が損失を出している」という表示がありました(2026年9月18日に確認)。欧州の規制にもとづいて表示される数字で、日本の口座の数字ではありません。それでも、CFDが損失の出やすい取引であることを示す数字として、知っておいてよいと思います。
税金は株式とは別の区分になる
国税庁のタックスアンサーでは、第一種金融商品取引業者を相手方とする店頭デリバティブ取引の差金決済による損益は、「先物取引に係る雑所得等」として扱われます。株式CFDもこの区分に入ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税の方法 | 他の所得と分けて、所得税15%(ほかに地方税5%)の申告分離課税。復興特別所得税も併せて納める |
| 損失が出たとき | 他の「先物取引に係る雑所得等」とは相殺できるが、それ以外の所得(株式の売買益など)とは相殺できない |
| 繰越し | 相殺しきれない損失は、一定の要件のもとで翌年以後3年間繰り越せる |
| 手続き | 確定申告では「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」を添付する |
現物の欧州株は「上場株式等」として、売買益や配当を他の上場株式等と通算できます。CFDで出た損失を、現物の株の利益と相殺することはできません。両方を使う場合は、この違いに注意が必要です。欧州株の現物の税金は確定申告と外国税額控除の記事で扱っています。
欧州株のCFDを扱う証券会社
欧州の個別株のCFDは、Plus500証券のほか、IG証券なども提供しています。Plus500証券は、関東財務局に登録された第一種金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第156号)です。
取り扱う銘柄は会社ごとに違い、変わることもあります。取引したい銘柄が扱われているか、証拠金率や金利調整額がいくらかは、各社の取引画面で確認するようにしてください。当サイトの銘柄記事で取り上げている会社が、各社で扱われているかどうかは、1社ずつは確認できていません。
CFDが合う人・合わない人
ここからは筆者の考えです。筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。
| 目的 | 合うと思う方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社の株主として長く持ちたい | 現物 | CFDは持つほど金利調整額の影響が積み上がり、株主にもなれない |
| 配当を受け取りたい | 現物 | CFDの権利調整額は配当そのものではない |
| 数日〜数週間の値動きを取りたい | CFDも選択肢 | 取引手数料が原則無料で、少ない資金から始められる。ただし損失も大きくなりうる |
| 下落局面で利益を狙いたい | CFD | 現物では売りから入れない |
当サイトの読者の多くは、欧州の会社を長く持ちたい方だと思います。その目的なら現物が合っていると思います。CFDは、短期の値動きを取る道具として、リスクを理解したうえで使うものだと考えています。使う場合は、失っても生活に影響しない金額にとどめ、損切りの水準を先に決めておくのがよいと思います。
まとめ
- CFDは、株を持たずに値動きの差額だけをやり取りする取引。欧州株も対象になる
- 株主にはなれない。配当は権利調整額として受け払いされる
- 取引手数料は原則無料だが、スプレッドがコストになり、持っている間は金利調整額が加算・減算される
- レバレッジがかかり、預けたお金を超える損失が出る可能性がある
- 税金は「先物取引に係る雑所得等」。株式の損益とは相殺できず、NISAの対象外
- 長く持つなら現物、短期の値動きを取るならCFDも選択肢。取扱銘柄と条件は各社の取引画面で確認する
この記事の検証方法
- CFDの特徴・コスト・リスクは、Plus500証券の公式サイト(CFDのページ・手数料のページ)を2026年9月18日に当サイトが確認しました
- 「個人のCFD口座の80%が損失」は、Plus500グループの欧州向けサイト(ポルトガル語版)の表示を2026年9月18日に確認したもので、日本の口座の数字ではありません
- 税金の扱いは、国税庁タックスアンサーNo.1521・No.1522(令和8年4月1日現在法令等)によります
- 現物の条件は、当サイトのサクソバンク証券の記事で公式情報から確認した内容です
- 銘柄ごとの証拠金率・金利調整額・スプレッド、当サイトで取り上げた各銘柄が各社で扱われているかは、当サイトでは確認できていません
- 本記事は仕組みの説明であり、CFD取引を勧めるものではありません。記載の内容は2026年9月18日時点のものです
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買やCFD取引を推奨するものではありません。CFDは元本が保証されず、レバレッジにより預けた証拠金を超える損失が生じる可能性がある取引です。取引を始める前に、各社の取引説明書・約款等をよくお読みになり、リスクや仕組みを十分にご理解ください。記載の内容は2026年9月18日に当サイトが各社の公式サイトと国税庁の資料で確認したものにもとづいており、変更される場合があります。本記事は税務アドバイスではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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