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この記事の結論
- マークス・アンド・スペンサーは英国の老舗小売チェーン。衣料品と食品スーパーの両方を展開しています
- 魅力の核心:オカド・リテール事業が黒字転換(営業利益1,470万ポンド、前年は2,040万ポンドの赤字)
- 最大のリスク:純利益は直近12ヶ月で−12.3%。2025年4月のサイバー攻撃の影響は、報道によると通期で約3億ポンド規模
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約830円から(推奨ロット100株が目安/1株買いは手数料負担率86.18%と重い)
2026年3月期のマークス・アンド・スペンサー(M&S)は、売上高が前年比+25.0%と大きく伸びました。ただしこの伸びの大半は、ネットスーパーのオカド・リテール事業を連結範囲に加えたことによるもので、オカドを除いた実質的な成長率は+1.9%です。数字の見え方には注意が必要ですが、そのオカド・リテール事業自体は前年の営業赤字から黒字に転換しています。
一方で、2025年4月下旬にはサイバー攻撃を受け、オンライン販売の停止など4ヶ月以上にわたり業務が混乱しました。報道によると、通期利益への影響は約3億ポンド規模にのぼります。直近12ヶ月の純利益も前年比−12.3%と、成長の裏側で収益性は悪化しています。英国の老舗小売チェーンの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
マークス・アンド・スペンサー株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 382.90ペンス(3.83ポンド、1株 約830円) |
| 52週レンジ | 301.10〜418.33ペンス |
| 時価総額 | 約79億ポンド |
| PER | 約31.1倍(予想 約11.7倍) |
| 配当利回り | 1.04%(1株配当 0.04ポンド) |
| 上場市場 | ロンドン証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +7.53% |
ロンドン株はペンス(GBX)表示です。「382.90」という数字だけを見ると382.90ポンドと誤読しがちですが、実際は3.83ポンドで、100分の1です。100倍の桁違いで捉えてしまうと購入株数や資金計画を誤るため、注文前に必ず確認してください。
オカド・リテール黒字転換という事実|マークス・アンド・スペンサー株の魅力
オカド・リテール事業が黒字転換、営業利益1,470万ポンド(前年は2,040万ポンドの赤字)
会社発表によると、2026年3月期のオカド・リテール事業(売上高31億9,340万ポンド)は営業利益1,470万ポンドを計上しました。前年は2,040万ポンドの営業赤字だったところからの黒字転換です。
投資家にとっては、赤字が続いていたオンライン食品配送事業が採算ラインを超えたことが実際の決算数値として確認できる、ということです。
1年で株価+7.53%上昇
2026年8月22日時点の株価は382.90ペンスで、1年間では+7.53%の上昇となっています。52週レンジは301.10〜418.33ペンスで、現在値はレンジの中ほどからやや上寄りにあります。
投資家にとっては、サイバー攻撃という大きな逆風を受けた1年でありながら、株価はプラス圏を維持している、ということです。
1株配当は年4ペンスへ増配(会社発表)
会社発表によると、M&Sの1株配当は年4ペンスで、前年から増配となりました。表面利回りは1.04%です。
投資家にとっては、サイバー攻撃の影響で通期利益が押し下げられた年であっても、株主還元の方向性そのものは後退していない、ということです。
純利益−12.3%とサイバー攻撃の影響|先に知っておきたいリスク
純利益は直近12ヶ月で−12.3%
直近12ヶ月の純利益は2億5,940万ポンド(前年比−12.3%)でした。2026年3月期の税引前利益も3億6,460万ポンド(同−28.8%)、基本1株利益は12.7ペンス(同−13.0%)です(出典:M&S公式IR)。
投資家にとっては、売上高が見た目上+25.0%と伸びている一方で、実際の儲けの水準はむしろ縮小しているということです。
2025年4月のサイバー攻撃、報道によると通期利益への影響は約3億ポンド規模
報道によると、M&Sは2025年4月下旬にサイバー攻撃を受け、オンライン販売の停止など4ヶ月以上にわたり業務が混乱しました。通期利益への影響は約3億ポンド規模にのぼるとされています。
投資家にとっては、一時的な事象とはいえシステム障害が業績に与えるダメージの大きさを示す事例であり、小売業がデジタル基盤にどれだけ依存しているかを可視化した出来事だということです。
PERは実績31.1倍、予想11.7倍とのギャップは期待の先行
実績PERは約31.1倍である一方、予想PERは約11.7倍です。
投資家にとっては、市場がサイバー攻撃からの利益回復をすでに織り込んで株価を評価しているということです。回復が計画通りに進まなければ、株価が調整する余地があります。
1株買いの手数料負担率は86.18%、100株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.088%、最低3.3ポンド(約715円)です。1株(約830円)だけを買うと、手数料負担率は86.18%に達します。
投資家にとっては、1株単位の購入は事実上機能せず、100株単位(約83,000円)でのまとめ買いが前提になる、ということです。
マークス・アンド・スペンサーは衣料品と食品スーパーで稼ぐ会社
マークス・アンド・スペンサーは英国の老舗小売チェーンで、衣料品と食品スーパーの両方を展開しています。同じ英国の小売大手テスコや、フランスの小売大手カルフールと業態を比較されることもあります(テスコ株の買い方/カルフール株の買い方)。
直近の決算(2026年3月期、52週)では、売上高172億7,360万ポンド(前年比+25.0%)、税引前利益3億6,460万ポンド(同−28.8%)、基本1株利益12.7ペンス(同−13.0%)でした(出典:M&S公式 https://corporate.marksandspencer.com/newsroom/press-releases/full-year-results-52-weeks-ended-28-march-2026)。この売上増加の大半はオカド・リテール事業の連結範囲変更によるもので、オカドを除いた成長率は+1.9%にとどまります。
会社発表によると、オカド・リテール事業(売上高31億9,340万ポンド)は営業利益1,470万ポンドで黒字転換しました(前年は2,040万ポンドの営業赤字)。一方で2025年4月下旬にはサイバー攻撃を受け、オンライン販売の停止など4ヶ月以上にわたり業務が混乱しており、報道によると通期利益への影響は約3億ポンド規模とされています。
1株配当4ペンスと、英国源泉税の扱い
M&Sの1株配当は年4ペンス(0.04ポンド)で、表面利回りは1.04%です。会社発表によると前年から増配となりました。
イギリスの配当源泉税は原則としてかからないとされますが、当サイトでは未確認です。証券会社によって扱いが異なる可能性があるため、口座開設時に確認してください。日本側では、受け取った配当に対してさらに20.315%が課税されます。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(MAKSY・米ドル建て)です。原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
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株価だけでなく、売上や利益、配当の推移も図で確かめたいときは、Simply Wall St という海外の分析サイトが使えます。欧州の上場企業も扱っていて、会社名で検索すると、その会社の財務の推移を一覧で見られます。サイトの画面は日本語にも対応しています。
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日本から買う方法と、1株あたりの手数料
M&Sの上場市場はロンドン証券取引所のみで、ティッカーは「MKS」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:MAKSY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | マークス・アンド・スペンサー株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- 英ポンドに両替する
- ティッカー「MKS」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約830円 | 715円 | 86.18% |
| 100株 | 約83,000円 | 715円 | 0.86% |
手数料は約定金額の0.088%、最低3.3ポンド(約715円)です。1株だけを買うと手数料負担率は86.18%にもなるため、実質的には100株単位のまとめ買いが前提になります。100株であれば負担率は0.86%まで下がります。
マークス・アンド・スペンサーを1株だけ買うと、手数料の負担率は約86.18%になります。最低手数料が効くため、まとめて買うほど負担率は下がります。実際の手数料を、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。最低手数料が効くため、少額の買付では負担率が上がります。
マークス・アンド・スペンサー株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 英国小売の業績回復や増配トレンドに投資したい人 | 1株配当は前年から増配、年4ペンス |
| オンライン小売事業の黒字化を評価したい人 | オカド・リテール事業が営業利益1,470万ポンドで黒字転換 |
| 100株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が0.86%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 1株単位で少額から始めたい人 | 手数料負担率が86.18%と重い |
| システム障害のような一時的リスクを避けたい人 | 2025年4月のサイバー攻撃、報道による通期影響は約3億ポンド規模 |
口座開設から最初の1株までの流れは、公式サイトで確かめられます。
開設までの日数は当サイトの解説記事にあります。
マークス・アンド・スペンサー株のよくある質問
マークス・アンド・スペンサー株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がロンドン証券取引所のみのためです。米国預託証券(MAKSY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
オカド・リテール事業の黒字転換とはどういうことですか?
会社発表によると、2026年3月期のオカド・リテール事業(売上高31億9,340万ポンド)は営業利益1,470万ポンドを計上しました。前年は2,040万ポンドの営業赤字だったところからの黒字転換です。赤字が続いていたオンライン食品配送事業が、採算ラインを超えたことが実際の決算数値として確認できます。
2025年4月のサイバー攻撃は業績にどう影響しましたか?
報道によると、M&Sは2025年4月下旬にサイバー攻撃を受け、オンライン販売の停止など4ヶ月以上にわたり業務が混乱しました。通期利益への影響は約3億ポンド規模にのぼるとされています。直近12ヶ月の純利益は2億5,940万ポンド(前年比−12.3%)で、売上高が見た目上+25.0%と伸びている一方、実際の儲けの水準はむしろ縮小しています。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
チャートに表示されているADR(OTC:MAKSY)と、実際に買う英国株は同じものですか?
別の銘柄です。本文のチャートは米ドル建てのADR(OTC:MAKSY)を表示していますが、サクソバンク証券で実際に購入するのはロンドン証券取引所に上場する英ポンド建ての本国株(ティッカー:MKS)です。値動きはほぼ連動しますが、表示通貨と取引市場が異なる点に注意してください。
まとめ:売上+25.0%の裏にあるサイバー攻撃という現実
- メリット:オカド・リテール事業が黒字転換、営業利益1,470万ポンド(前年は2,040万ポンドの赤字)/1年で株価+7.53%上昇/1株配当は前年から増配、年4ペンス
- デメリット:純利益は直近12ヶ月で−12.3%/2025年4月のサイバー攻撃、報道によると通期利益への影響は約3億ポンド規模/1株買いの手数料負担率は86.18%
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約830円から。100株単位のまとめ買いで手数料負担率は0.86%
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、IB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はマークス・アンド・スペンサー社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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