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この記事の結論
- サクソバンク証券の円口座で欧州株を売買すると、取引手数料とは別に両替コストがかかります。同社が円口座の両替コストとして示している率は売買のたびに0.25%です
- この0.25%は、約定額がパリで約16万円、フランクフルトで約25万円、スイスで約44万円を超えると、取引所の手数料より大きくなります
- 米国株なら米ドル口座で両替を1回に減らせますが、欧州株は米ドル口座でも両替がかかると取引概要に書かれています
- 当サイトの手数料と総コストの試算には、この両替コストを含めていませんでした。この記事で補います
欧州株のコストを比べるとき、多くの人が最初に見るのは取引所ごとの手数料です。当サイトでも取引所別の手数料の記事やコストを全部足した記事で詳しく試算してきました。
ただ、どちらの記事にも「為替の両替コストは含めていない」と断り書きを入れていました。円で入金してユーロやポンドの株を買う以上、両替は避けて通れません。この記事では、その抜けていた部分を、サクソバンク証券の公式の説明で確認して数字にします。
先にお断りしておくと、記載の条件は2026年9月15日に当サイトが同社の公式ページで確認した内容です。両替コストの率は変わることがあるため、お取引の前に最新の条件をご確認ください。
両替はいつ、どうかかるのか
サクソバンク証券の外国株式の取引概要(2026年8月20日現在)には、円口座について次のように書かれています。
- 売買代金と手数料は、両替コストを加えた、その時点での同社の提示レートで円に換えられる
- 決済で円以外の通貨の損益などが出た場合は、その時点の実勢相場にもとづくレートで、自動的に円に交換される
つまり円口座では、ユーロの株を買うときに円からユーロへ、売るときにユーロから円へ、そのたびに両替が入ります。取引概要には率そのものの記載はありませんが、同社の米国株の案内ページでは、円口座の両替コストを「売買の都度0.25%」と明記しています。この記事では、この0.25%を目安として計算します。
米ドル口座の抜け道は、欧州株には使えない
米国株の場合は、円をまとめて米ドル口座に移しておけば、売買のたびの両替は発生しません。両替コストは最初に移すときの1回だけになります。
ところが取引概要では、米ドル口座で米国以外の取引所に上場する株を売買する場合も、売買代金と手数料は両替コストを加えたレートでドルに換えられると書かれています。ユーロやポンドの株を米ドル口座で買っても、ドルからユーロへの両替が入るということです。同社の公式ページで確認できた外貨の口座は米ドル口座だけで、ユーロ口座などは見つかりませんでした。
欧州株については、口座の選び方で両替を減らす方法は、当サイトが確認した範囲ではありません。
手数料と比べる——約定額しだいで逆転する
取引所の手数料には最低手数料があるため、少額のうちは手数料のほうが重く、金額が大きくなると料率だけになります。一方、両替コストは金額に比例して0.25%ずつかかります。片道で比べると、次のようになります。
| 取引所 | 10万円(手数料/両替) | 30万円(手数料/両替) | 100万円(手数料/両替) | 両替のほうが大きくなる約定額 |
|---|---|---|---|---|
| パリ(仏) | 約408円/250円 | 約408円/750円 | 約880円/2,500円 | 約16万円から |
| フランクフルト(独) | 約613円/250円 | 約613円/750円 | 約880円/2,500円 | 約25万円から |
| ロンドン(英) | 約714円/250円 | 約714円/750円 | 約880円/2,500円 | 約29万円から |
| コペンハーゲン(丁) | 約956円/250円 | 約956円/750円 | 約1,320円/2,500円 | 約38万円から |
| ミラノ(伊)・マドリード(西) | 約1,021円/250円 | 約1,021円/750円 | 約1,320円/2,500円 | 約41万円から |
| スイス | 約1,089円/250円 | 約1,089円/750円 | 約1,320円/2,500円 | 約44万円から |
10万円の取引なら、手数料のほうが両替より大きい状態です。ところがパリなら約16万円、スイスでも約44万円を超えると、両替コストのほうが手数料より大きくなります。100万円の取引では、どの取引所でも両替コストが手数料の約2〜3倍になりました。
しかも両替は、買うときと売るときの2回かかります。往復では約定額の0.5%です。手数料の安い取引所を選んでも、まとまった金額を動かすときは、この0.5%のほうが結果に効いてくると思います。
両替のコストは、手数料より重くなることがあります。取扱銘柄と手数料を見比べて、1回にいくらで買うかを考えられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。 円口座では、取引手数料とは別に両替コストがかかります(同社の案内で売買のたびに0.25%)。
総コストの試算に足すと、どう変わるか
コストを全部足した記事では、10万円を投資して1年持ったときの合計を、フランスの約2,135円からスイスの約3,626円まで試算しました。ここに往復の両替コスト約500円(10万円×0.25%×2回)を足すと、次のようになります。
| 国 | 元の試算(1年) | 両替コストを足した合計 | 投資額に対して |
|---|---|---|---|
| フランス | 約2,135円 | 約2,635円 | 約2.64% |
| ドイツ | 約2,460円 | 約2,960円 | 約2.96% |
| イギリス | 約2,529円 | 約3,029円 | 約3.03% |
| デンマーク | 約3,175円 | 約3,675円 | 約3.68% |
| スペイン | 約3,304円 | 約3,804円 | 約3.80% |
| イタリア | 約3,471円 | 約3,971円 | 約3.97% |
| スイス | 約3,626円 | 約4,126円 | 約4.13% |
両替コストはどの国でも同じ率なので、国の順番は変わりません。ただ、10万円の少額でも、1年のコスト全体の1〜2割が両替だったことになります。金額が大きくなるほど、この割合は上がります。
確認できていないこと
- 欧州株での率そのもの:0.25%は同社が米国株の案内で円口座の両替コストとして示している率です。欧州株の取引概要には仕組みの説明はありますが、率の記載はありませんでした
- 配当を円に換えるときの両替:取引概要には円以外の通貨の損益が自動的に円に交換されると書かれていますが、配当にどの率がかかるかは確認できていません
- 両替コストとは別の為替の差:提示レートと市場のレートの差がほかにあるかどうかは、当サイトでは確認できていません
両替コストをどう考えるか
ここからは筆者の考えです。両替コストは、手数料と違って取引所を選んでも減らせないので、減らす方法は「売買の回数を減らす」ことにほぼ限られると思います。往復0.5%なら、長く持つ前提で年に1回も売買しないのであれば、全体のコストの中では気にしすぎなくてよい大きさです。
逆に、値動きを見て短い間隔で売買するなら、手数料の率より先にこの0.5%を意識したほうがよいと思います。フランスやイギリスの買付税と合わせると、1回の売買だけで約定額の1%近くになる場合もあります。
筆者自身はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。日本から円で投資する場合は、同じ株を買っても、この両替の分だけコストが上乗せされる点を意識しておくとよいと思います。
まとめ
- サクソバンク証券の円口座では、欧州株の売買代金と手数料に両替コストを加えたレートで円に換えられる。同社が示す率は売買の都度0.25%
- 約定額がパリで約16万円、スイスで約44万円を超えると、手数料より両替コストのほうが大きい
- 欧州株は米ドル口座でも両替がかかる。口座の選び方で減らす方法は確認できなかった
- 総コストの試算に往復約500円(10万円の場合)を足しても、国の順番は変わらない
- 減らす方法は売買の回数を減らすこと。短い間隔で売買するなら手数料より先に意識する
1回の金額を決めたら、口座開設の流れも先に見ておけます。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
両替コストを含めた証券会社ごとの違いは、欧州株が買えるネット証券を比較した記事で比べています。
この記事の検証方法
- 円口座と米ドル口座での両替の仕組みは、サクソバンク証券の外国株式・外国ETF/ETN取引概要(2026年8月20日現在)で2026年9月15日に当サイトが確認しました
- 両替コストの率(売買の都度0.25%)は、同社の米ドル口座の案内ページと米国株の手数料と為替手数料の解説ページの記載にもとづきます
- 取引手数料の料率と最低手数料は、同社の手数料表(クラシック口座・2026年8月19日版)を使用し、円換算は取引所別の手数料の記事と同じ値で計算しました
- 総コストの元の数字は、コストを全部足した記事の10万円・1年保有の試算を使いました
- 欧州株での両替コストの率、配当を円に換えるときの率、提示レートと市場レートの差は、当サイトでは確認できていません
- 記載の条件は2026年9月15日時点のものです。お取引の前に必ず最新の条件をご確認ください
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の両替コスト・手数料・円換算額は2026年9月15日に当サイトが公式資料で確認した内容にもとづく試算であり、実際の金額や将来の条件を保証するものではありません。お取引の条件は、必ずサクソバンク証券の最新の公式情報でご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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