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この記事の結論
- 欧州の会社でも、配当の額を米ドルで決めている会社があります。公式発表で確認できたのは、UBS・スイス再保険・グレンコア・アストラゼネカの4社です
- 直近の額は、UBS 1.10ドル、スイス再保険 8.00ドル、グレンコア 0.17ドル、アストラゼネカ 1.06ドル(アストラゼネカは中間配当)でした
- グレンコアは受け取りの通貨を選べ、アストラゼネカはポンドとスウェーデンクローナの額も同時に発表しています
- 株価は現地の通貨、配当は米ドルで決まるため、円で見た配当は「ドルと現地通貨」「現地通貨と円」の両方の為替で動きます
スイス株の配当はスイスフラン、イギリス株の配当はポンド。そう考えるのが自然ですが、実際には配当の額を米ドルで決めている欧州の会社があります。
この記事では、各社の公式発表で確認できた4社について、直近の配当と、通貨の扱いを整理します。
4社の配当を一覧にする
| 会社 | 主な上場先(株価の通貨) | 直近の配当(米ドル) | 通貨の扱い |
|---|---|---|---|
| UBS | スイス(フラン) | 2025年度 1.10ドル | 半分を利益から、半分を資本準備金から支払い |
| スイス再保険 | スイス(フラン) | 2025年度 8.00ドル | 任意の利益準備金から支払い |
| グレンコア | ロンドン(ペンス) | 2025年度分 0.17ドル(2回に分けて支払い)+特別分配0.085ドル | ジャージーの株主名簿の株主は、ユーロ・フラン・ドル・ポンドから選べる |
| アストラゼネカ | ロンドン(ペンス)、ストックホルム(クローナ) | 2026年の第1回中間配当 1.06ドル | 同時に0.795ポンド、10.32クローナの額も発表 |
UBSとスイス再保険:フランで取引される株に、ドルの配当
UBSは2026年4月15日の株主総会で、2025年度の配当を1株1.10米ドル(税引前)と決めました。スイス再保険も、2026年の株主総会で1株8.00米ドルの配当を決めています。どちらもスイスの取引所でスイスフラン建てで取引されている株です。
スイスの会社の配当には原則35%の源泉税がかかりますが、UBSのように資本準備金から払う部分には源泉税がかかりません。この仕組みはスイスの資本準備金からの配当の記事で説明しています。スイス再保険についてはスイス再保険株の記事をご覧ください。
なお、米ドルで決まった配当が、実際にどの通貨で株主に支払われるか、証券会社の口座にどの通貨で入るかは、当サイトでは確認できていません。
グレンコア:受け取る通貨を選べる
資源会社のグレンコアは、分配を米ドルで発表しています。同社の株主向けの説明では、ジャージーの株主名簿に載っている株主は、ユーロ・スイスフラン・米ドル・ポンドから受け取りの通貨を選べます。
2026年9月18日の支払い分(2回目の0.085ドルと特別分配0.085ドルの合計0.17ドル)では、ドル以外を選んだ株主への支払額は、9月7日の為替レートをもとに0.125503ポンド、0.146155ユーロ、0.137522フランと決まりました。換算のレートは会社が決めた日のもので、株主が選べるのは通貨だけです。
ただし、この選択は株主名簿に直接載っている株主向けの仕組みです。証券会社を通じて持つ場合に選べるかどうかは、当サイトでは確認できていません。会社の概要はグレンコア株の記事で扱っています。
配当が米ドルで決まる会社は、円で見た配当がドルと現地通貨、現地通貨と円の両方の為替で動きます。UBSやグレンコアなどの取扱いを、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。
アストラゼネカ:3つの通貨で同時に発表
製薬のアストラゼネカは、ロンドン、ストックホルム、ニューヨークに上場しています。2026年7月27日に発表した第1回中間配当は、1.06米ドル、0.795ポンド、10.32スウェーデンクローナでした。権利落ち日はロンドンとストックホルムが8月6日、支払日は9月8日です。
同社の説明では、ポンドとクローナの額は、発表の前日の為替レートで換算されています。どの取引所で持っているかによって、受け取る通貨が決まる形です。アストラゼネカはスウェーデンの株価指数にも入っているイギリスの会社で、配当の税金の考え方はOMXS30の記事で触れています。
日本から持つ人にとっての意味
配当が米ドルで決まる会社では、円で見た配当の動き方が少し変わります。
- 配当の額そのものは、ドル円の為替で動く:会社がドルで同じ額を払い続けても、円高ドル安になれば円での受取額は減ります
- 配当利回りは、ドルと現地通貨の為替でも動く:株価はフランやポンドで付いているので、ドルが現地通貨に対して安くなると、現地通貨で見た利回りは下がります
- 途中で通貨の換算が入ることがある:ドルで決まった配当が現地通貨に換算され、さらに円に換算されると、換算のたびにレートの影響を受けます
ここからは筆者の考えです。筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。
欧州株を買う理由の1つに、「米ドル以外の通貨に資産を分けたい」という考えがあると思います。その目的で見ると、配当が米ドルで決まる会社は、通貨の分散という点では効果が少し薄れると思います。一方で、すでに米国株でドルの配当に慣れている方には、金額の見通しを立てやすい面もあります。欧州株と為替の関係は為替リスクの記事にまとめています。
まとめ
- UBS(1.10ドル)、スイス再保険(8.00ドル)、グレンコア(0.17ドル)、アストラゼネカ(1.06ドル)は、配当を米ドルで決めている
- グレンコアは、株主名簿の株主なら受け取りの通貨を4つから選べる。アストラゼネカはポンドとクローナの額も同時に発表する
- 株価は現地通貨、配当は米ドル。円で見た配当は2つの為替で動く
- 実際にどの通貨で口座に入るかは、証券会社の扱いによる(当サイトでは未確認)
確かめたい会社が見つかったら、口座開設の流れを先に見ておけます。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- UBSの配当は同社の2026年4月15日の発表、スイス再保険の配当は同社の2026年の株主総会の結果の発表によります(いずれも2026年9月15日に当サイトが確認)
- グレンコアの分配と通貨の選択は、同社のShareholder FAQsと2026年の分配の発表を2026年9月19日に当サイトが確認しました
- アストラゼネカの配当は、同社のDividend policyのページで確認しました
- 本記事では、公式発表で確認できた4社だけを取り上げています
- 各社の配当が実際にどの通貨で支払われるか、サクソバンク証券の口座にどの通貨で入るか、証券会社経由でグレンコアの通貨の選択ができるかは、当サイトでは確認できていません
- 記載の内容は2026年9月19日時点のものです
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の配当額は当サイトが各社の公式発表で確認した内容にもとづいており、今後の決議や為替により変わります。実際に受け取る通貨と金額は、お取引の証券会社の案内で必ずご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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