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この記事の結論
- エアバス株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はユーロネクスト・パリのみ、米国ADRはOTC銘柄)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約3万9,200円)
- フランス株は最低手数料が低く、1株買いでも手数料負担率は約1.03%
- 最大の注意点:NISA不可+配当利回りは約1.50%と低め(エアバスはオランダの会社で、配当にはオランダの税15%がかかる。日本との条約の限度税率は10%)
ボーイングの株は、SBI証券でも楽天証券でも買えます。ニューヨーク証券取引所に上場しているからです。
ところが、旅客機市場をボーイングと二分するエアバス(Airbus SE/ティッカー:AIR)は買えません。
この記事では株価・業績・買い方を実数字で解説します。1株あたり約3万9,200円。2026年上半期は売上高が前年同期比12%増、防衛・宇宙部門の受注額は83%増と、事業は明確に拡大しています。
エアバス株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 212.90ユーロ(1株 約3万9,200円) |
| 52週レンジ | 157.42 〜 221.30ユーロ |
| 時価総額 | 約1,690億ユーロ |
| PER | 約28.4倍 |
| 配当利回り | 約1.50%(1株配当3.20ユーロ) |
| 上場市場 | ユーロネクスト・パリ |
52週高値221.30ユーロに対して現在212.90ユーロ。高値まで4%を切る水準です。
2026年上半期、売上高12%増・防衛部門の受注は83%増
エアバスの2026年上半期(1〜6月)決算では、連結売上高が前年同期比12%増の332億ユーロ、調整後EBITは27.3億ユーロ(前年22.0億ユーロ)で24%増、純利益は22.4億ユーロ(前年15.3億ユーロ)で47%増となりました。売上高に対する調整後EBIT比率は約8.2%で、前年同期の約7.4%から改善しています。
民間旅客機の納入機数は351機(前年同期306機、+15%)。内訳はA220が44機、主力のA320ファミリーが271機、A330が10機、A350が26機です。受注も伸びており、総受注886機・純受注821機(前年同期は純受注402機)、6月末時点の受注残は9,222機に達しています。会社側は通期見通しとして納入機数約870機、調整後EBIT約75億ユーロを掲げています。
防衛・宇宙部門も勢いがあり、受注額は93億ユーロと前年の51億ユーロから83%増加しました。欧州各国の防衛費拡大がそのまま受注に反映された形です。ヘリコプター部門の納入は144機(前年138機)でした。
一方でフリーキャッシュフロー(顧客金融前)はマイナス12億ユーロ(前年のマイナス16億ユーロからは改善)。生産増強に向けた在庫積み増しで正味現金は年初の122億ユーロから84億ユーロに減少しています。会社は「生産レート引き上げを支えるための意図的かつ必要な運転資本の積み増し」と説明しており、赤字ではなく先行投資という位置づけです。
結論:エアバス株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約3万9,200円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
エアバスが上場しているのはユーロネクスト・パリで、ティッカーは「AIR」です。ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
米国預託証券(ADR)は存在しますが、取引所ではなくOTC(店頭市場)で取引される銘柄です。楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。SBI証券・マネックス証券も同様に、パリ上場の原株を取り扱っていません。
ボーイングとエアバスの差は、企業の規模でも実力でもなく、上場している場所だけです。同じ構造で、アディダス(ナイキは買える)、BMW、LVMH、エルメスも買えません。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
手数料:フランス株なので負担は軽い
フランス株の手数料はクラシックで0.088%、最低2.20ユーロ(約405円)です。ドイツ株の3.30ユーロ、スイス株の5.50スイスフランと比べて最も低く設定されています。
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約3万9,200円 | 約405円 | 約1.03% |
| 12株 | 約47万円 | 約413円 | 約0.09% |
1株からでも約1%と許容範囲ですが、約定金額が2,500ユーロ(約46万円)を超えると率が効き始め、0.088%に下がります。
買うまでの流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「AIR」で検索し、株数を指定して発注
エアバスを1株だけ買うと、手数料の負担率は約1.03%になります。最低手数料が効くため、まとめて買うほど負担率は下がります。実際の手数料を、口座の画面で確かめられます。
欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座あり、NISAは対象外です。配当には現地で源泉税がかかり、手取りは表面の利回りより下がります(本文参照)。
配当は年1回、1株3.20ユーロ
エアバスの配当は年1回。2025年度分として1株3.20ユーロが支払われました(権利落ち日2026年4月21日、支払日2026年4月23日)。現在の株価212.90ユーロに対する利回りは約1.50%です。
※2026年9月19日訂正:当初この段落では、エアバスの配当を「フランス株」として日仏租税条約の10%で説明していました。エアバスはパリに上場していますが、オランダで設立された会社で、配当にはオランダの税金がかかります。お詫びして訂正します。
エアバスの公式サイトによると、同社の配当にはオランダの税法にもとづき、株主の居住国にかかわらず15%の配当源泉税がかかります。エアバス(Airbus SE)はパリ・フランクフルト・スペインの取引所に上場していますが、オランダで設立された会社で、銘柄を識別するISINコードも「NL」で始まります。日本とオランダの租税条約の限度税率は10%で、差の5%の扱いはオランダ株とスウェーデン株の配当税の記事で説明しています。スイスの35%やドイツの26.375%よりは軽い水準です。実際に何%が差し引かれるかは証券会社の扱いによって変わるため、口座開設時に確認してください。
もっとも配当利回り自体が約1.50%と高くないため、この恩恵は限定的です。エアバスは配当より値上がり益を狙う銘柄と考えてください。
欧州株が下がるなか、なぜエアバスだけ上がっているのか
当サイトで扱ってきた銘柄と並べると、エアバスの位置がはっきりします。
ラグジュアリー(エルメス)も自動車(BMW)も防衛(ラインメタル)も調整するなかで、エアバスは唯一、高値圏で1年を終えようとしています。背景にあるのは、上半期の売上高12%増・防衛部門受注83%増という実際の業績拡大です。
エアバスの主力はA320シリーズなどの民間旅客機で、ほかにヘリコプター事業、防衛・宇宙事業を持ちます。旅客機は受注から納入までの期間が長く、9,222機の受注残が数年先の売上を支える構造になっています。
ただしPERは約28.4倍。BMWの5.75倍とは対照的で、すでに一定の期待が株価に織り込まれています。高値圏で買うということは、その期待が続く前提に乗ることを意味します。
買う前に知っておくべきこと
NISAは使えない
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となり、利益には約20.315%が課税されます。
高値圏で買うリスクと為替
52週高値まで4%を切る水準にあるということは、過去1年で最も高い価格帯で買うことになるという意味です。加えてユーロ建てなので、株価と為替の2つの変動を同時に抱えます。
航空機業界特有のリスク
旅客機メーカーは受注から納入までのリードタイムが長く、生産レートの引き上げには時間がかかります。実際、2026年上半期は生産増強に伴う在庫積み増しでフリーキャッシュフローがマイナス12億ユーロとなり、正味現金は年初比で38億ユーロ減少しました。会社側は先行投資と説明していますが、サプライチェーンの混乱や部品供給の遅延が生じれば納入計画や業績見通しに影響する業界であることは押さえておく必要があります。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(EADSF・米ドル建て)です。パリ上場の原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
株価だけでなく、売上や利益、配当の推移も図で確かめたいときは、Simply Wall St という海外の分析サイトが使えます。欧州の上場企業も扱っていて、会社名で検索すると、その会社の財務の推移を一覧で見られます。サイトの画面は日本語にも対応しています。
無料プランでは、銘柄レポートを月5件まで見られます。登録から7日間は有料版の機能を試せます(クレジットカードの登録は不要)。当サイトはSimply Wall Stと提携しており、有料プランの申込みがあると紹介料を受け取ります。
よくある質問
エアバスの受注はなぜこんなに増えているのですか?
2026年上半期の民間機純受注は821機と前年同期の402機から倍増しています。加えて防衛・宇宙部門の受注額は93億ユーロと前年から83%増加しました。欧州各国が防衛費を拡大していることが、防衛・宇宙部門の受注増に直接反映されています。民間機側も納入機数が前年比15%増と生産が上向いており、受注・納入の両面で拡大が続いている状況です。
PER28倍は割高ではないですか?
BMW(PER約5.75倍)など他の欧州株と比べれば、確かに高い水準です。ただし調整後EBITは前年同期比24%増、純利益は47%増と利益の伸び自体が速い点は考慮する必要があります。それでも52週高値まで4%を切る水準で買うことに変わりはなく、成長への期待がすでに織り込まれた株価であることは理解した上で判断してください。
配当はいつ、いくら受け取れますか?
エアバスの配当は年1回です。2025年度分は1株3.20ユーロで、権利落ち日は2026年4月21日、支払日は2026年4月23日でした。現在の株価に対する利回りは約1.50%と、値上がり益狙いの銘柄としては標準的な水準です。次年度以降の配当額・時期は業績次第で変わるため、保有中は決算発表を確認してください。
まとめ
- ボーイングは買えてエアバスは買えないのは、上場市場の違いだけ
- エアバスはユーロネクスト・パリ上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約3万9,200円、手数料は約405円(負担率1.03%)と軽い
- 2026年上半期は売上高12%増・調整後EBIT24%増・防衛部門受注83%増と業績は明確に拡大
- 配当は年1回・1株3.20ユーロ、利回り約1.50%。PERは約28.4倍で高値圏にあり、期待はすでに織り込まれている
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 1株単位でも問題なく買える | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
日本の投資家にとって、旅客機メーカーへの投資はボーイング一択になりがちです。もう一方の当事者を選べることを知っているかどうかで、取れる戦略は変わります。
特定口座で確定申告の手間を減らしながら、日本語の画面で欧州株を持つ。その入口です。NISAを優先したい方には、IB証券という選択肢もあります。
口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 配当の税金は、エアバス公式サイトのShare price & information(Dividend taxation)を2026年9月19日に確認し、同日に記述を訂正しました
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はエアバス社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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