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AG・SA・NV・PLC・SEの意味|欧州株の会社名の末尾を10種類で整理【2026年】

AG・SA・NV・PLC・SEの意味|欧州株の会社名の末尾を10種類で整理【2026年】

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この記事の結論

  • 欧州株の会社名の末尾に付くAG・SA・NV・PLC・SpA・A/S・ABは、どれも各国の法律にもとづく「株式会社」の種類を表します
  • SEは国の法律ではなく、EUの規則にもとづく「欧州会社」です。最低資本金は12万ユーロで、会社を解散せずに登記を別の加盟国へ移せます
  • AGはドイツとスイス、SAはフランス・スペイン・スイスなどで使われます。末尾だけでは会社の国は決まりません
  • 配当の税金は会社の国で決まります。末尾は手がかりにとどめ、ISINと会社のIR資料で確かめるのが確実だと思います

SAP SE、ネスレ S.A.、ASML Holding N.V.、シェル plc。欧州株を調べていると、会社名の後ろにアルファベットの略号が付いているのに気づきます。日本の「株式会社」にあたる表記ですが、国ごとに呼び方が違います。

この記事では、サクソバンク証券で取引できる欧州9か国の略号と、EU共通の「SE」について、各国の法律の原文で確認した内容をまとめます。

目次

9か国とEUの「株式会社」早見表

上場している会社が使う形態を、国ごとに並べました。最低資本金は、各国の法律の条文で確認した金額です。

国略号正式な呼び方最低資本金会社の例
ドイツAGAktiengesellschaft5万ユーロSiemens AG
スイスAG/SAAktiengesellschaft(仏語圏はSociété anonyme)10万スイスフランNovartis AG、Nestlé S.A.
フランスSASociété anonyme3万7,000ユーロL’Oréal S.A.
スペインSASociedad anónima6万ユーロIberdrola, S.A.
イタリアSpASocietà per azioni5万ユーロEni S.p.A.
オランダNVNaamloze vennootschap4万5,000ユーロASML Holding N.V.
イギリスPLCPublic limited company5万ポンドShell plc
デンマークA/SAktieselskab40万デンマーククローネNovo Nordisk A/S
スウェーデンAB(publ)Publikt aktiebolag50万スウェーデンクローナAB Volvo (publ)
EU共通SESocietas Europaea(欧州会社)12万ユーロSAP SE、Airbus SE
最低資本金は各国の会社法・EU規則の条文による(2026年9月19日確認)

呼び方は違っても、共通点があります。ドイツの株式法は、AGを「独立した法人格を持ち、会社の債務には会社の財産だけが責任を負う」会社と定めています。スイスの債務法も同じ趣旨です。株主が負うのは出資した金額までで、これは日本の株式会社と同じ考え方です。

略号ごとの注意点

AGとSAは、複数の国で使われる

AGはドイツとスイスの両方で使われます。SAは、フランス、スペイン、スイスのフランス語圏で使われます。当サイトで扱ったユーロフィンのように、ルクセンブルクの会社もSAです(ISINの記事で紹介しています)。つまり、「SAだからフランスの会社」とは言えません。

PLCは、名前の末尾に付けることが法律で決まっている

イギリスの2006年会社法は、公開会社の名前を「public limited company」または「p.l.c.」で終えるよう定めています(第58条)。発行済み株式の額面の合計には、5万ポンドという下限があります(第763条)。ロンドン市場の銘柄名に「PLC」が並ぶのは、このためです。

スウェーデンの「publ」、デンマークの「A/S」

スウェーデンの株式会社(AB)には、非公開と公開の2種類があります。公開会社は、社名から公開会社だと分かる場合を除き、名前の後ろに「(publ)」を付ける決まりです。資本金の下限は50万クローナです。デンマークでは、株式会社だけが「A/S」を名乗れます。資本金の下限は40万クローネです。

ドイツの「KGaA」は、AGとは別の形態

ヘンケル(Henkel AG & Co. KGaA)やメルク(Merck KGaA)の末尾にあるKGaAは、株式合資会社と訳されます。ドイツの株式法第278条は、「少なくとも1人の社員が会社の債権者に対して無限に責任を負い、ほかの社員は株式に分けられた資本に出資する」会社と定めています。AGとは会社の仕組みが違うため、株主総会で決められる範囲は、会社の定款で確かめるのが確実です。ドイツ株の議決権については、ドイツ株の優先株の記事もあわせてご覧ください。

会社名の末尾で見当をつけたら、その会社が取引できるかを、口座の画面で確かめられます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。

SE(欧州会社)とは

SEは、ラテン語の「Societas Europaea」の略です。2001年10月8日のEU理事会規則(2157/2001)で作られた会社の形で、規則は2004年10月8日に発効しました。特定の国の法律ではなく、EU共通の規則にもとづく点が、ほかの略号との違いです。規則で確認できた主な内容は、次のとおりです。

項目規則の内容
資本金引受済みの資本は12万ユーロ以上(第4条)
登記の場所登記上の本店はEU域内に置き、経営の本拠と同じ加盟国でなければならない(第7条)
登記の移転登記上の本店を別の加盟国へ移せる。移転しても会社は解散せず、新しい法人にもならない(第8条)
名前社名の前か後ろに「SE」を付ける(第11条)

SEを名乗る会社は、ドイツのSAP SE、アリアンツ SE、BASF SE、フランスのLVMH(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton SE)、トタルエナジーズ SE、シュナイダーエレクトリック SE、オランダ登記のエアバス SEなど、大型株に多くあります。

投資家にとって大事なのは、SEという表記からは、どの国の会社なのかが分からない点です。SAP SEはドイツ、LVMHはフランス、エアバス SEはオランダに登記されています。配当にかかる現地の税金はそれぞれの国のものになります。しかもSEは、解散せずに登記を別の国へ移せる仕組みです。登記の国が変われば、配当の税金の扱いも変わることが考えられます。SEが登記を移した場合に、個別の銘柄で配当の税金がどう変わったかの実例は、当サイトでは確認できていません。

末尾の略号を、どう使うか

末尾の略号は、会社の国を絞り込む手がかりになります。ただ、それだけで決めるのは難しいと思います。当サイトでは、次の順番で確かめています。

  1. 末尾の略号を見る。SpAならイタリア、A/Sならデンマークと見当がつきます。AG・SA・NV・PLC・SEは、複数の国や地域がありえます
  2. ISINの先頭2文字を見る。登記上の国を表します。エアバス SEは「NL」です
  3. 会社のIR資料で、配当の税金を確かめる。ISINと実際の登記地が違う例(ユーロフィン)や、登記地と税務上の居住地が違う例(カンパリ)もあるためです

イギリスの略号であるPLCにも、注意したい例があります。ロンドンに上場するグレンコア(Glencore plc)は、王室属領のジャージーで登記され、本社はスイスにあります。PLCと付いていても、イギリス本土の会社とは限りません。国ごとの配当の税金は、欧州株の配当税を9か国で比較した記事にまとめています。

筆者はIBKRの口座で欧州株ETFを中心に保有しています。個別株を調べるときは、銘柄名の末尾とISINを最初に見るようにしています。この2つが食い違うときは、国をまたいだ会社である可能性があり、配当の税金を念入りに確かめる合図になると思います。

まとめ

  • AG・SA・NV・PLC・SpA・A/S・ABは、各国の法律にもとづく株式会社の呼び方。株主の責任は出資額までで、日本の株式会社と同じ考え方
  • 最低資本金は、ドイツとイタリアが5万ユーロ、フランス3万7,000ユーロ、スペイン6万ユーロ、オランダ4万5,000ユーロ、イギリス5万ポンド、スイス10万フランなど
  • SEはEUの規則にもとづく欧州会社。資本金は12万ユーロ以上で、解散せずに登記を別の加盟国へ移せる
  • AG・SA・SEは複数の国で使われるため、末尾だけで会社の国は決まらない。ISINと会社のIR資料で確かめる

確かめたい会社が見つかったら、口座開設の流れを先に見ておけます。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

この記事の検証方法

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の内容は2026年9月19日に当サイトが各国の法令・公式資料で確認したものにもとづいており、変更される場合があります。個別の銘柄の配当にかかる税金は、会社の発表や証券会社の案内で必ずご確認ください。本記事は税務・法務のアドバイスではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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