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スペイン・イタリア・デンマーク株の配当税の還付|差は14%・11%・12%【2026年】

スペイン・イタリア・デンマーク株の配当税の還付|差は14%・11%・12%【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 現地の配当税と日本との条約の限度税率の差は、スペイン14%・デンマーク12%・イタリア11%です。この差は、現地の税務当局に請求すれば戻る仕組みがあります
  • 窓口と期限は、スペインが様式210で4年、イタリアがペスカーラの事務センターへ48か月、デンマークがオンラインフォームで5年です
  • デンマークは2026年6月の最高裁判決で期限が3年から5年に変わり、3年で却下した案件を2026年末までに自動で再開するとしています
  • 3か国とも居住者証明書が要ります。デンマークは加えて配当通知・口座明細・保有残高の明細まで求めており、書類の負担がいちばん重い国です

欧州株の配当には、現地の税金と日本の20.315%の両方がかかります。日本の確定申告で外国税額控除を使っても、戻るのは条約の限度税率までです。それを超えて現地で引かれた分は、現地の税務当局に自分で請求しないと戻りません。

ドイツ・スイス・フランスの手続きは現地源泉税の還付を調べた記事で扱いました。この記事では、残るスペイン・イタリア・デンマークの3か国について、各国の税務当局の公式ページを2026年9月17日に確認し、窓口・期限・必要な書類を整理します。

先にお断りしておくと、本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。実際に請求される場合は、税理士や各国の税務当局に事前にご確認ください。

目次

3か国の還付手続きを一覧にする

項目スペインイタリアデンマーク
現地の配当税19%26%27%
日本との条約の限度税率5%15%15%
差(請求しないと戻らない分)14%11%12%
窓口スペイン税務庁(AEAT)イタリア歳入庁 ペスカーラ事務センターデンマーク税務庁(Skattestyrelsen)
請求の方法様式210(国外からは書留郵便でも可)標準様式または簡単な申請書オンラインフォーム(MitIDなしでも可)
期限翌年2月1日から、源泉税の申告納付期間の終了から4年以内源泉徴収の日から48か月以内源泉徴収の時から5年以内
各国税務当局の公式ページを2026年9月17日に当サイトが確認。税率と限度税率は当サイトの配当税の記事で各国当局と財務省の資料から確認したもの。差は当サイトが算出

差がいちばん大きいのはスペインの14%です。現地の税率は19%と3か国で最も低いのですが、日本との条約の限度税率が5%と低いため、戻る余地が最も大きくなります。

スペイン:様式210で、翌年2月から4年以内

スペイン税務庁の非居住者向けのページには、源泉徴収された額が本来の税額を上回った非居住者は、様式210で超過分の還付を請求できると書かれています。

項目内容
様式様式210(非居住者の所得税の申告書。還付を求める申告として出す)
期限配当を受け取った年の翌年2月1日から提出でき、源泉税の申告納付期間の終了から4年以内。条約による還付にも同じ期限が適用される
まとめ方還付の申告は1年単位でまとめられる(同じ支払者・同じ種類の所得・同じ税率・同じ銘柄の場合)
提出方法電子提出(スペインが認める電子証明書、個人はCl@veも可)か、サイトで作成・印刷した紙。国外からは、作成した書類と添付書類を書留郵便でマドリードの全国税務管理事務所へ送る
納税者番号スペインの番号(NIF)がなければ、フォームの中で識別コードを自分で取得できる
添付書類①居住国の税務当局が発行した居住者証明書(条約上の居住者であることが明記されたもの)②還付を受ける口座の名義を証明する書類
還付先の口座本人名義なら、スペイン国外の銀行口座でもよい
出典:スペイン税務庁(AEAT)の非居住者向けページ(還付請求・申告の様式と期限・提出方法・添付書類)。2026年9月17日に当サイトが確認

ポイントは、配当を受け取った年のうちは請求できないことです。2026年に受け取った配当なら、早くても2027年2月1日からになります。電子提出にはスペインの電子証明書などが必要になるため、日本に住む個人の場合は、書留郵便で送る方法が現実的だと思います。

なお、公式ページには、条約を具体化する規則で専用の様式が定められている場合は、居住者証明書の代わりにその様式を使うとも書かれています。日本居住者に専用の様式があるかどうかは、当サイトでは確認できていません。

イタリア:ペスカーラの事務センターへ、48か月以内

イタリア歳入庁のページでは、イタリアに住んでいない人は、様式(ある場合)または簡単な申請書で、ペスカーラの事務センターに請求するとされています。期限は源泉徴収の日から48か月です。

項目内容
窓口イタリア歳入庁 ペスカーラ事務センター(Centro Operativo di Pescara、via Rio Sparto 21, 65129 Pescara)
様式2013年7月10日の決定で定められた標準様式。様式によらない申請書でもよい
期限源泉徴収の日から48か月以内
記載・添付①居住国の税務当局が発行した居住の証明 ②条約の条件を満たすことの申告 ③実際に源泉徴収されたことを示す書類
請求できる人配当の受取人本人のほか、源泉徴収をした側(支払いを取り扱った金融機関など)も請求できる
出典:イタリア歳入庁(Agenzia delle Entrate)の非居住者向けの還付ページと、条約にもとづく還付の案内。2026年9月17日に当サイトが確認

イタリアで注目したいのは、あとから請求する以外の方法も示されていることです。イタリア歳入庁は、受取人が源泉徴収をする側に、源泉徴収の時点で条約の税率を直接適用するよう求めることもできると説明しています。源泉徴収をする側は、自らの責任で条約の税率を適用できる、とされています。

つまり、証券会社の側で対応していれば、最初から15%で済む可能性があるということです。ただし、サクソバンク証券の口座で日本居住者にこの扱いが行われているかは、当サイトでは確認できていません。

還付の差は、スペイン14%・イタリア11%・デンマーク12%です。持つ国を決める前に、その国の銘柄が取引できるかを見ておけます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。

デンマーク:期限は2026年6月の判決で5年に

デンマーク税務庁の還付のページ(2026年8月24日更新)で、最も大きな変更は期限です。同庁は2016年以降、3年を過ぎた請求を却下してきました。しかし2026年6月にデンマーク最高裁判所がこれを誤りと判断し、期限は源泉徴収の時から5年になりました。

同庁は、3年の期限を理由に却下した案件のうち該当するもの(2021年6月11日より後に源泉徴収された分など)を、2026年末までに自動で再開するとしています。再開のために手続きをする必要はない、と書かれています。なお、租税条約で別の期限が定められている場合もあるとされています。

項目内容
請求の方法オンラインフォーム。MitID(デンマークの電子ID)がなくても使えるフォームがある。1回の請求で株主1人・配当20回分まで
期限源泉徴収の時から5年以内
還付の通貨デンマーク・クローネで支払われる。クローネを受け取れる口座が必要
処理期間2015年以前に不正な還付請求が大量にあった影響で、長くかかる。6か月を超えた場合は利息が付く。2026年1月1日より前に出された未処理の請求は、処理期間を18か月延長すると通知済み
必要書類①居住国の当局が証明した税務上の居住証明(パスポートや申告書の写しは不可)②配当通知(デンマークの税が源泉徴収されたとわかるもの)③口座明細(配当が入金されたこと。複数の銀行を経由した場合は全段階の記録)④保有残高の明細(配当決議日の保有株数と、支払日の前後6か月の増減)⑤前後6か月に売買があればその取引報告書 ⑥貸株の有無
出典:デンマーク税務庁(Skattestyrelsen)「Claiming refund of Danish dividend tax」(2026年8月24日更新)。2026年9月17日に当サイトが確認

デンマークは、フォームそのものは使いやすそうに見えます。一方で、書類の要求は3か国で最も細かいです。特に、配当が複数の金融機関を経由した場合は全段階の送金記録、支払日の前後6か月の保有株数の増減まで求めている点は、過去の不正請求を踏まえた厳しさだと思います。

年10万円の配当なら、いくら戻る可能性があるか

目安として、各国の株から年10万円(円換算・現地の税金を引く前)の配当を受け取った場合の差額を計算しました。為替の変動や、書類の取得・郵送にかかる費用は含めていません。

国現地で引かれる額条約の限度税率での額請求すれば戻る可能性がある額
スペイン19,000円5,000円14,000円
デンマーク27,000円15,000円12,000円
イタリア26,000円15,000円11,000円
配当10万円に各国の税率と限度税率を掛けて当サイトが算出。実際の還付額は審査の結果や為替で変わる

年1万円強のために、居住者証明書を税務署で取り寄せ、外国語の様式を用意し、郵送やオンラインで請求する。これを割に合うと考えるかは、保有額しだいだと思います。スペインは翌年にならないと請求できず、デンマークは処理に時間がかかると当局自身が書いているので、戻ってくるのは早くても数か月から1年以上先と考えておくのが無難だと思います。

実際の壁は、証券会社から書類を取れるか

3か国とも、手続きの入口よりも書類をそろえられるかが壁になると考えています。居住者証明書は日本の税務署で発行してもらえますが、それ以外の書類は証券会社の側にあるものだからです。

  • スペイン:条約上の居住者と明記された居住者証明書と、還付を受ける口座の証明
  • イタリア:実際に源泉徴収されたことを示す書類
  • デンマーク:配当通知、全段階の口座の記録、前後6か月の保有残高の明細

証券会社を通じて欧州株を持つ場合、証券会社の先に海外の保管機関が入ることがあり、配当はいくつかの金融機関を経由して届きます。各国が求める形式の書類を証券会社から発行してもらえるかは、当サイトでは確認できていません。請求を考える場合は、まずお取引の証券会社に、どの書類を出してもらえるかを問い合わせるのが確実だと思います。

ここからは筆者の考えです。筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています。個別株の配当がまとまった額にならないうちは、現地の税金は戻らない前提で、手取りの利回りを見ておくほうが判断を誤りにくいと思います。国ごとの手取りの違いは配当税を国別に比較した記事で確認できます。

まとめ

  • 請求しないと戻らない差はスペイン14%・デンマーク12%・イタリア11%
  • スペインは様式210。翌年2月1日から、4年以内。国外からは書留郵便でも出せる
  • イタリアはペスカーラの事務センターへ48か月以内。源泉徴収の時点で条約の税率を適用してもらう方法も示されている
  • デンマークはオンラインフォームで、2026年6月の最高裁判決により期限が5年に。書類の要求は3か国で最も細かい
  • 壁は、各国が求める書類を証券会社から発行してもらえるか。請求前に証券会社へ確認する

持つ国が決まったら、口座開設の流れを先に見ておけます。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

この記事の検証方法

  • スペインの制度は、スペイン税務庁の非居住者向けページ(還付請求・様式と期限・提出方法・添付書類)を2026年9月17日に当サイトが確認しました
  • イタリアの制度は、イタリア歳入庁の非居住者向けの還付ページと条約にもとづく還付の案内を2026年9月17日に確認しました
  • デンマークの制度は、デンマーク税務庁の還付のページ(2026年8月24日更新)を2026年9月17日に確認しました
  • 各国の配当税率と日本との条約の限度税率は、当サイトの配当税の記事で各国当局と財務省の資料から確認した数字です。差額と10万円の試算は当サイトが算出しました
  • スペインで日本居住者向けの専用様式があるか、各国の処理期間の実際、サクソバンク証券が各国の求める書類を発行できるか、イタリアで源泉徴収の時点で条約の税率が適用されているかは、当サイトでは確認できていません
  • 本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。記載の内容は2026年9月17日時点のものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。本記事は制度の一般的な説明であり、税務アドバイスではありません。記載のスペイン・イタリア・デンマークの還付制度、税率、期限は2026年9月17日に当サイトが各国税務当局の公式ページで確認した内容にもとづいており、制度の変更や判決により内容が変わる場合があります。個別の申告・還付請求については、税理士や税務署、現地当局に必ずご確認ください。証券会社が発行できる書類の範囲については、お取引の証券会社に個別にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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