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欧州株の情報開示ルール早見表|決算・大株主・空売り・買収の4制度【2026年】

欧州株の情報開示ルール早見表|決算・大株主・空売り・買収の4制度【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 欧州株を持ったあとに出てくる情報は、EUの法令で大きく4つに整理できます。決算、大株主の届出、空売りの公表、買収のときの決まりです
  • 決算の義務は年2回、大株主は議決権の5%(ドイツとイギリスは3%)から、空売りは0.5%から公表されます
  • 買収では、議決権の30%で全株主への買付けが義務になり、90%(ドイツは95%)で残りの株も買い取られることがあります
  • どれも無料で、会社のIRサイトや当局のサイトから調べられます。イギリスとスイスはEUの外なので、決まりが違う点にご注意ください

欧州株を買ったあと、会社のIRサイトには決算以外にもさまざまな発表が並びます。題だけでは中身の見当がつかないものも多く、どれを読めばよいのか迷いやすいところです。

この記事は、当サイトがEUの法令の原文で確認してきた4つの制度への入口です。細かい条文と出典は各記事に任せ、ここでは全体の見取り図をまとめます。

目次

4つの制度の早見表

制度主な数字調べる場所根拠
決算義務は年次(4か月以内)と半期(3か月以内)の年2回。四半期は義務ではない会社のIRサイトの決算日程指令2004/109/EC、2013/50/EU
大株主の届出議決権の5%・10%…75%の8つの基準。ドイツは3%から、イギリスは3%から1%きざみ会社のIRサイトの発表指令2004/109/EC、独WpHG、英DTR 5
空売りの公表発行済み株式の0.5%から公表(当局への報告は0.1%から)。以後0.1%ごと各国の当局が運営・監督するサイト規則(EU)236/2012
買収のときの決まり議決権の30%で全株主への買付けが義務(ドイツ・イギリス)。90%(ドイツは95%)で強制買取り買い手と会社の発表、証券会社の案内指令2004/25/EC、独WpÜG、英買収コード
当サイトの各記事で、EUと各国の法令の原文をもとに確認した内容

制度ごとのポイント

決算:利益が分かるのは年2回の会社もある

EUは2013年の指令で、四半期の報告義務を廃止しました。理由として、中小の会社の負担と、短期志向を強めることを挙げています。ただし取引所が独自に求めることはでき、フランクフルトのプライム・スタンダードは第1・第3四半期の報告を必須にしています。ロレアルは、利益まで発表するのは年2回で、第1・第3四半期は売上高だけです。詳しくは欧州株の決算は年2回が基本の記事をご覧ください。

大株主の届出:会社の発表で追える

基準をまたいだ株主は4取引日以内に会社へ届け出て、会社は3取引日以内に公表します。買い増したときだけでなく、売って基準を下回ったときも対象です。届出に載るのは議決権の割合で、売買の理由までは分かりません。詳しくは大株主は何%から公表されるかの記事にまとめました。

空売りの公表:買い持ちよりずっと小さい持ち高で名前が出る

空売りの正味の持ち高が0.5%に達すると、持っている人の名前、規模、日付が公表されます。ドイツは連邦官報のサイトで無料で検索できます。公表されるのは0.5%以上の分だけで、空売り全体ではありません。詳しくは空売りは0.5%で公表される記事で説明しています。

買収:少数株主が取り残されないための決まり

支配権を得た人は、すべての株主に公正な価格での買付けを提案しなければなりません。公正な価格の基準は、買い手が直前の6〜12か月に支払った最も高い値段です。買い手が90%(ドイツは95%)以上を集めると、残りの株も買い取られることがあり、株主の側から買い取りを求める権利もあります。詳しくは欧州株が買収されたらどうなるかの記事をご覧ください。

決算日程も、大株主の届出も、役員の売買も、会社のIRサイトで無料で確かめられます。気になる銘柄を日本語の画面で扱えるかどうかは、先に見ておけます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。

持ち分の大きさで見ると、1本の線でつながる

持ち分起きること
空売り 0.1%当局への報告が始まる(一般には公表されない)
空売り 0.5%名前と規模が一般に公表される
議決権 3%(ドイツ・イギリス)、5%(EUの指令)大株主としての届出が始まり、会社が公表する
議決権 30%(ドイツ・イギリス)全株主への買付けが義務になる
議決権 90%(ドイツは95%)残りの株主の株を強制的に買い取れる

こうして並べると、持ち分が大きくなるほど、ほかの株主に対する責任も重くなる設計だと分かります。個人投資家の側から見ると、大きな持ち分の動きは、段階を追って公表されていく仕組みになっていると思います。

読むときに気をつけたいこと

  • イギリスとスイスはEUの外。イギリスの大株主の届出と買収の決まりは当サイトで確認しましたが、決算と空売りの現在の決まりは確認できていません。スイスの決まりは、いずれも確認できていません
  • 議決権の割合と、株数の割合は違う。議決権の違う株を出している会社では、大きくずれます。株の種類の早見表にまとめています
  • どの国の決まりが当てはまるかは、会社の国による。上場している取引所の国とは限りません。見分け方はISINの記事で説明しています
  • 公表は事実の通知で、理由は書かれていない。大株主の売買も空売りも、ねらいまでは分かりません

筆者はIBKRの口座で欧州株ETFを中心に保有しています。これらの公表は、それだけで売買を決める材料にはなりにくいと思います。値動きの理由を後から確かめたり、買収の発表に落ち着いて対応したりするための、基礎知識として役立つと考えています。

まとめ

  • 決算:義務は年2回。四半期は取引所や会社による
  • 大株主:議決権の5%(ドイツ・イギリスは3%)から、会社が公表
  • 空売り:0.5%から、当局のサイトで公表
  • 買収:30%で全株主への買付けが義務、90%(ドイツは95%)で強制買取り
  • イギリスとスイスはEUの外。会社の国を確かめてから読む

情報の読み方が分かったら、次は実際の銘柄で確かめる番です。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

開示ルールを知ったうえで欧州株を買う証券会社を探すときは、欧州株が買えるネット証券を比較した記事もご参考ください。

この記事の検証方法

  • この記事の数字と制度は、当サイトの4本の記事(決算、大株主の届出、空売りの公表、買収)で、EUと各国の法令の原文をもとに確認した内容です。出典と確認日は各記事に記載しています
  • 「持ち分の大きさで見ると」の節は、確認した数字を当サイトが並べ直したものです
  • 記載の内容は2026年9月19日時点のものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の内容は2026年9月19日時点で当サイトがEUと各国の法令で確認したものにもとづいており、変更される場合があります。本記事は法務アドバイスではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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