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北欧株のA株・B株の違い|議決権は10倍差、ノボのA株は非上場【2026年】

北欧株のA株・B株の違い|議決権は10倍差、ノボのA株は非上場【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 北欧の会社は、議決権の数が違う「A株」と「B株」を発行していることがあります。インベスターとボルボは、A株が1票、B株が10分の1票です。配当は両方とも同じと、各社が説明しています
  • スウェーデンの会社法は、議決権の差を10倍までと定めています(第4章第5条)
  • デンマークは会社ごとに違います。ノボ・ノルディスクのA株は上場しておらず、財団側が資本の約28%で議決権の約77%を持っています。マースクのB株には議決権がありません
  • 個人が売買するうえでは、どちらの種類を買うのかを銘柄名で確かめることが大事だと思います

ストックホルムやコペンハーゲンの銘柄一覧を見ると、「VOLV A」「VOLV B」、「MAERSK A」「MAERSK B」のように、同じ会社の名前が2つ並んでいることがあります。これは別の会社ではなく、同じ会社が発行する種類の違う株です。

この記事では、A株とB株で何が違うのかを、スウェーデンの法律と各社の公式発表で確認した数字をもとに整理します。

目次

A株とB株の違いは、議決権の数

違いの中心は、株主総会で投じられる票の数です。各社の公式サイトや発表で確認できた例を並べます。

会社(国)A株B株補足
インベスター(スウェーデン)1票10分の1票1株あたりの配当はA株もB株も同じ
ボルボ(スウェーデン)1票10分の1票配当は両方の種類で同じ
エリクソン(スウェーデン)A株2.6億株で2.6億票、B株31.1億株で3.1億票(B株は1株0.1票の計算)2025年5月30日時点
ノボ・ノルディスク(デンマーク)100票(非上場)10票0.10クローネの単位あたり
A.P. モラー・マースク(デンマーク)議決権あり(1,000クローネ券で2票)議決権なし2026年6月30日の発表
各社の公式サイト・発表より。確認日は2026年9月19日

インベスターとボルボは、配当がA株とB株で同じだと公式サイトに書いています。つまりこの2社では、受け取る配当は同じで、違うのは総会での票の重さだけです。ほかの3社について、種類ごとの配当の条件は、当サイトでは確認できていません。

スウェーデン:法律で「10倍まで」と決まっている

スウェーデンの株式会社法(2005:551)の第4章第5条は、「どの株も、ほかの株の議決権の10倍を超える議決権を持ってはならない」と定めています。A株1票に対してB株10分の1票という組み合わせは、この上限いっぱいの設計です。

10倍の差がどれほど効くのかは、エリクソンの発表で分かります。

エリクソン株数株数の割合議決権議決権の割合
A株261,755,983株7.8%261,755,983票45.7%
B株3,109,595,752株92.2%310,959,575.2票54.3%
合計3,371,351,735株100%572,715,558.2票100%
エリクソンの発表(2025年5月30日)より。割合は当サイトの計算

株数では8%に満たないA株が、議決権では約46%を占めています。少ない出資で会社の方針に強い影響力を保てる仕組みだと言えます。スウェーデンの株価指数OMXS30では、会社ごとにA株かB株のどちらか1種類が採用されています。顔ぶれはOMXS30の構成銘柄を調べた記事にまとめました。

A株かB株か。北欧株は、銘柄コードの末尾を確かめてから注文するのが基本です。取扱いを、口座の画面で見ておけます。

欧州株1,800銘柄以上・9取引所に対応。特定口座は使えますが、NISAの対象外です。手数料は取引所ごとに最低額があり、少額の買付では負担率が上がります。

デンマーク:会社ごとに設計が違う

ノボ・ノルディスク:A株は上場していない

ノボ・ノルディスクの公式サイトによると、同社の資本金4億4,650万クローネは、A株1億748万7,200クローネとB株3億3,901万2,800クローネに分かれています。A株は上場しておらず、ノボ・ノルディスク財団が100%保有するノボ・ホールディングスが持っています。財団の定款により、A株は手放せないことになっています。

同じ単位あたりの議決権は、A株が100票、B株が10票です。ノボ・ホールディングスは2024年11月8日時点でB株も1,775万6,050クローネ分を持っています。これらの公表値から当サイトが計算すると、同社の持ち分は資本の約28.1%、議決権の約77.3%になります。

私たちが取引所で買えるのは、B株(NOVO B)だけです。つまり個人投資家は、はじめから「議決権の軽いほう」の株主になります。

マースク:B株には議決権がない

海運のA.P. モラー・マースクは、A株とB株の両方が上場しています。同社の2026年6月30日の発表では、A株(1,000クローネ券)は958万6,385株で1,917万2,770票、B株は510万9,279株で、議決権の欄は「該当なし」です。株数でみるとA株が約65%、B株が約35%ですが、議決権はすべてA株にあります。

デンマークの指数OMXC25には、マースクだけA株とB株の2銘柄が入っています。詳しくはOMXC25の構成銘柄を調べた記事をご覧ください。デンマークの法律に、スウェーデンのような議決権の差の上限があるかどうかは、当サイトでは確認できていません。

個人投資家は、どちらを選ぶか

少額の個人投資家にとって、総会での1票が10分の1になることの影響は、大きくないと思います。それよりも、実際の売買で差が出やすいのは次の点です。

  • 株価が違う。同じ会社でも、A株とB株は別々に値段が付きます。配当の金額が同じなら、株価の安いほうが配当利回りは高く計算されます
  • 取引の量が違う。取引の少ない種類は、売りたいときに希望の値段で売れないことがあります。どちらの取引が多いかは会社によって違うため、注文の前に出来高を見比べるのが確実です
  • 証券会社で買える種類が限られることがある。サクソバンク証券で個別の銘柄のA株・B株のどちらを取り扱っているかは、当サイトでは確認できていません。口座の取引画面でご確認ください

筆者はIBKRの口座で欧州株ETFを中心に保有しています。個別の北欧株を調べるときは、銘柄コードの末尾の「A」「B」を必ず見るようにしています。コードが1文字違うだけなので、取り違えに気づきにくいためです。

なお、議決権の違う株を出す仕組みは北欧だけのものではありません。ドイツには、議決権がない代わりに配当が上乗せされる優先株があります。ドイツ株の優先株の記事で扱っています。

まとめ

  • 北欧のA株・B株は、同じ会社の、議決権の数が違う株。インベスターとボルボはA株1票・B株10分の1票で、配当は同じ
  • スウェーデンの会社法は、議決権の差を10倍までと定めている。エリクソンのA株は株数の7.8%で議決権の45.7%
  • ノボ・ノルディスクのA株は非上場。財団側が資本の約28%で議決権の約77%を持つ(2024年11月8日時点の公表値から当サイトが計算)
  • マースクのB株は議決権なし。A株・B株とも上場している
  • 注文の前に、銘柄コードの末尾と出来高を確かめる

北欧株が候補なら、口座開設の流れを先に見ておけます。

口座の種類と開設までの日数は当サイトの解説記事にまとめています。NISAは対象外です。

この記事の検証方法

  • インベスターは同社のThe Investor share、ボルボはThe Volvo shareのページを2026年9月19日に当サイトが確認しました
  • エリクソンは、同社の発表New number of shares and votes(2025年5月30日)の株数と議決権数を使いました。その後に株数が変わっている可能性があります
  • ノボ・ノルディスクは、同社のShare and ownership structureのページで確認しました。持ち分の割合は、掲載されている資本金の額から当サイトが計算したものです
  • マースクは、同社の発表「Information about changed number of votes and share capital」(2026年6月30日)で確認した内容です
  • 議決権の差の上限は、スウェーデン議会のサイトに掲載の株式会社法(2005:551)第4章第5条で確認しました
  • 記載の内容は2026年9月19日時点のものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の内容は2026年9月19日に当サイトが各社の公式資料と法令で確認したものにもとづいており、株数や議決権数はその後に変わる場合があります。最新の内容は、各社の発表や証券会社の案内で必ずご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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この記事を書いた人

ポルトガル在住30代の兼業投資家です。インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で、欧州株ETFを中心に保有しています。ヨーロッパには、日本ではあまり知られていなくても、世界中で愛されている会社がたくさんあります。その面白さと、日本からの買い方を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思って書いています。株価の見通しは、根拠と計算式を示して書きます。確認できていないことはそう書き、誤りがあれば訂正の経緯を記事に残して直します。

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